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連載7/12 ビーダーマイヤー
概要
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メッテルニヒの政権は、1815-48の間、続きました。「ビーダーマイヤー」とはその時代をではなく、その間の独自の芸術的気運を言います。ビーダーマイヤーの原動力は、
都市化、工業化の進展により、郊外の中産階級が誕生し、芸術の新たな鑑賞者となった
メッテルニヒ政権による政治的抑圧
があり、結果的に芸術家は、(少なくとも表向きは)安全な領域にとどまり、家庭的で非政治的な題材を主に取り上げました。絵画のみならず、文学、音楽、建築、インテリアデザインをも含みます。また、ビーダーマイヤーは、デンマークにおける「デンマーク黄金期」に呼応します。
特徴
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オーストリアにおけるビーダーマイヤー絵画は、センチメンタルで敬虔な情景を写実的に描写しました。社会批判的な主題は回避され、深い信仰、単純さ、安全さ、居心地の良さなどを含む主題が好まれました。テクニック重視の傾向もあったようです。
ビーダーマイヤーに分類される画家は多く、画像もオンラインでたくさん見ることができますが、どちらかというと明るい日の光が好まれたようです。
フェルディナント・ヴァルトミュラー(1793-1865)
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ウィーンのアカデミーに学び、後にその教授となりました。人の顔の性格や、触感の描写に優れ、人々の日常生活を説明的・道徳的な作品に表現しました。同時代の芸術家に大きな影響を与えました。ところで、電灯が発明される前、夜にランプやろうそくの光を下から当てるのは、普通の日常的な光景であり、ダービーのジョゼフ・ライトにもこういった光の作品がありますが、私はどうしても子供の頃に顔の下から懐中電灯を当てて遊んだ「お化けごっこ」を思い出してしまいます…
カール・シュピッツヴェク(1808-85)
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美術学校へは行かずに、フランドルの画家の作品を模写することにより独学で絵画を学びました。風刺画からスタートし、ユーモラスな風俗画で人気を得ました。1930年代には、シュピッツヴェクの作品の贋作事件もありました。「スペインのセレナード」によく似た、数人の人たちが夜に街頭で楽器を演奏している絵は、他にも何枚かあります。