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断捨離できなかったもの


断捨離

20年近く、実家に置かせてもらっていた大学時代のノートや、画集などを整理し、半分は処分、半分は自宅に送りました。ノートは、全く未練もなく、一式廃棄しました。本の廃棄・保管の選別も特に困ることはありませんでした。価値のあるものは、ほとんどないはずです。

保管するもの

二束三文以下と分かっていても、手放すことができなかったものに、展覧会のチラシや、チケットの半券があります。夫に「そこまでの量ではないから、そのまま保管し」と言われたので、目ぼしいものは保管して良いことにしました。最も厚いキングファイル1冊分になりました(「そこまでの量ではない」?!)。

一元管理

展覧会ごとに、クリアポケットに収め、年代順に並べました。一番古いものは1997年、中学生の時に行った展覧会のチラシです。

以降、海外に住んでいたとか、コロナの年などを除き、毎年、3回以上は展覧会に行きました。

よく展覧会がある、ウィリアム・モリス、ミュシャ、ラリックは、チラシも多いです。

ラファエル前派や、唯美主義はずっと好きだったので、複数ありました。この辺は、2000年代~2010年代は展覧会も多かったように思いますが、最近はやや下火で、残念です。私は、画家や、特定の流派に的を絞った展覧会が良いなと思います。美術館単位で、雑多に色々なものを見せられるのは、散漫でくたびれます。企画する側としては、美術館単位の方が、開催しやすいのだろう、ということは想像に難くありません。

ジョゼフ・コーネル展は、図録もお気に入りです。

適当に分散管理していた時は気付きませんでしたが、時系列で整理してみると、そういえばあの時にあんなことがあった、とか、あの展覧会では、など、記憶が蘇りました。やはり、同じ種類のものは、時系列に一元管理することが大事だと思いました。

美術館に行くなどは、ほぼ100%、きれいな思い出しかなく、日々の上澄みを取り出したようなものです。チラシを眺めていると、良い人生だ、と思います。

もし生命があと数分しか残っていなくて、生涯を振り返るとしたら、どんなことを思い出すだろうか?どんな思い出が、きらりと輝く何にも代えがたい貴重な真珠のように記憶に残っているだろう?世界でたった一人、あなたにしかない記憶。それらが集まり、大切な思い出をつなげたネックレスができあがる。

ヒルデ・オストビー&イルヴァ・オストビー『海馬を求めて潜水を』みすず書房、2021年

時には紙も

アメリカに住んでいた時や、ヨーロッパに旅行した時も、美術館にはよく行きました。私は、当然のように日本と同じようなチラシが置いてあるのだろうと思っていましたが、ほとんどありません。チラシは楽しいので、あった方が良いなと思いました。なんでもオンラインで閲覧できますし、普段は電子化したい派ですが、展覧会に関しては、紙のチラシがあるとうれしいです。

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