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法務のタスク管理

※本記事は、薄明かりの絵画とは関係ありません。水族館とも無関係です。

とにもかくにもスピードアップだ

現職には、5年前に新規事業の事業部付法務担当として雇用されました。そのため、事業部との距離はかなり近い(はず)です。法務部門に「もっと事業部に入り込んで、理解して仕事をしてほしい」と言われることがありますが、タスク管理の面でちょっと「入り込めた」ように思ったことがありました。

すみだ水族館

リーガルテックのベンダなどが公開している、法務部門の調査報告書から分かる事業部の法務部門への一番の要請は、
もっと早く回答せよ
です。どう転んでも逆立ちしても無理、のような期限を一方的に設定しておいてもっと早くはないのでは、その他、法務としても色々言いたいことはありますが、とにかく、早くしてほしい要請が強いです。私の場合、幸いにも、5年間で督促される事態はほとんど発生していませんが、契約締結のターゲットから逆算したスケジュール、各部門の持ち時間、ステータスなどは、事業部と法務との間で共有しておくと、コミュニケーションがスムーズになることは間違いありません。

MS Planner

シーパラ

昨年、全社的にMS Plannerが導入されました。こういうツールは急いで飛び付く派です。2,3か月、まずは手元で使ってみました。事業部から、「(法務側の遅延ではなく)事業部担当者がタスクを把握していないために、スケジュールに遅れが出ている。薄明(本名)さんから事業部担当者にアラートを出して欲しい」と言われました。それは契約を締結する事業部の責任ではないの、法務でそこまでするの?!という思いは無きにしも非ずですが、考えようによっては、これも、事業部に入るチャンスかもしれません。とはいえ、アラート発信など、マニュアルでやることはないです。MS Plannerに担当者と期限を登録しておけば、自動でアラート発信されるので、これを使えば良いと思いました。

運用・ステータス共有

契約書のドラフト起案やレビューを受け付けると、Plannerに担当者とタスクを登録します。タスク管理ツールは多数ありますし、その中でMS Plannerが特に優れている、という話もあまり聞きません。ただ、契約書の起案~保管までは、関係者も多くて5人くらい、フローも固まっていて単純なので、ステキな機能満載のタスク・プロジェクト管理ツールを持ち出すほどのことはなく、MS Plannerのシンプルな機能で十分です。タスク管理ツールの比較検討をする前に、「いかに活用するか」だと思います。また、タスク管理ツールは便利ですが、あらゆる問題を解決してくれる魔法のツールではないことは言うまでもなく、人間がいつも見て、きちんと使って始めて、生きると思っています。私は、以下のように運用しています。

  • 一番大事なこと:事業部の週次会議で、Plannerの画面を共有して、関係者とステータスを確認しています。この、週次会議との組み合わせがないと、MS Plannerによるタスク管理はすぐに放置されて、機能しなくなると思います。ステータスのupdateや、次にどんな依頼があるか、見込みスケジュールなども、その場で教えてもらいます。

  • Plannerは、完了した案件のレビュー目的には使いません(完了したタスクも記録としては残るので、見直すことは可能ですが)。なので、ファイルを添付したり、細かいメモをしたりもしません。ドキュメント管理は別に行っています。

  • タスクの完了基準は「締結済み契約書のPDF保管」と決めています。完了基準を一義的に決めていないと、タスクの完了登録をするのを忘れて、終わった案件がいつまでも残ってしまうことがあったためです。

すごく急いで回答せよと言われて対応したのに、事業部側で長期間寝かせた挙句に、またすごく急いでやれと言われる、というようなことが減りました。事業部の週次会議参加は、単なる「契約締結までのステータス管理」に留まらず、ビジネスの現状を知る機会にもなっています。

頂き物

シーパラ付近

タスク管理だけの効果ではないとは思いますが、事業部とのコミュニケーションを活性化することで、法務担当から事業部側へのお願いもしやすくなりました。例えば、契約書の起案・レビューの際は、ヒアリングシートを書いてもらう、エライ人会議の資料に必要な情報をもらう、社内教育に協力してもらう、などです。こちらからの依頼は、いつも快諾頂き、必要な情報をすぐにもらえるので、ありがたい限りです。

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今期から見積の仕事もすることになりました。法務担当が見積の仕事など、聞いたことがありませんが、これもチャンスと捉えたいです。10年以上、法務しかやってこなかったところ、いきなり見積の仕事をするのは無理があるので、まずはPMO的な仕事に従事します。見積業務のフローの整理と、ドキュメント管理の一元化を行っています。「契約業務のMS Plannerでのタスク管理や、ドキュメント管理の方法は、見積業務にも取り入れたい」と言って頂き、私にも少しはできることがあるのかも、と思っています。

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