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無理矢理エナジードリンク飲んで頭回転させる勉強法で自滅、、、|キモ社労士雑記

2年前の8月、切羽詰まっていた。
社労士試験日まで、あとわずか。

社会保険労務士、いわゆる社労士という資格がある。税理士が税に詳しい人なら、社労士は社会保険に詳しい人。準難関国家試験なんて言われて、合格率は大体6%ぐらい。その試験が年に1回。

絶対に受かりたいと思っていた。
なぜなら、その時の勤めていた社労士事務所で働くことが限界だったから。

その時の職場のことは詳しくは書かない。まだ、絶対に許せないという感情と、でも自分にも至らぬところがあったなという自省の間で今も安定しないからだ。これを書いてるときの感情も次の日には別の方向に揺れてるかもしれない。

ただ、その時はひたすら辞めたいと思っていて、でも転職活動のこともあるし、資格が必要だと思っていた。

勉強の進捗は芳しくなかった。毎日帰宅は夜遅いし、休日も体力もそうだがメンタルを回復させるために睡眠が必要だった。メンタルに負荷がかかると長時間の睡眠でバランスを保つ癖があった。

試験直前の数日間。
年に有休を5日間取得する義務があるため、どうにか試験前に休みが取れた。
ストレスは飽和状態。夏の暑さで食欲も無い。当然頭も回らない。そこで手を出したのがエナジードリンク。朝から何も食べてなくても、頭が回る。

食欲ないけど無理矢理エナジードリンク飲んで頭回転させる勉強法という、キモいメソッド爆誕。

それから試験日まで家に籠り、テレビはつけずにエアコンはつけっぱなし、一日中布団の上でテキストと問題集と睨めっこしていた。

そして、体調を崩して試験日を迎えた。試験後の自己採点は過去最悪だった。採点を終えてから、メンタル維持のため爆睡。

転職して臨んだ、翌年の試験。
とにかく外に出た。街を歩いて、風景を見た。

それからどうにか退職した。
資格はなかったが、いくつかの不採用通知の後に、次の職場も決まった。満身創痍の後のリスタート。次の職場への思いは希望ばかりではない。

そんな矢先に新型コロナウイルス襲来。

休業を余儀なくされる。
ちくしょう!新しい職場で働けると思ったのに!という気持ちはない。
前の事務所を退職して、採用が決まるまでは不安もあったが、次の職場が決まったのなら最低限の生活は補償されている。であるなら休めるだけ休みたい。仕事への純粋な前向きさは無くなっていた。出血は止まっても傷跡は残っている。

自粛期間中は、ずっと家に籠っていると気が滅入りそうなので、散歩していた。散歩なんて何年もしていなかった。運動不足なので、はじめのうちは足が筋肉痛になった。

勉強はというと、この時点ではあまりしていなかった。絶対に受かりたいと思っていた前回の試験も落ちて、満身創痍の退職後にはもう全然違う職種に行こうかと一度は思うほどに気持ちは堕ちていた。やる気は戻り切っていない。なんならコロナもあって、今年試験ないかもしれないし、という言い訳も心の中にあった。

けれど、自粛期間中の散歩から徐々にやる気を取り戻していく。通ったことのない道を通る。一駅向こうまで歩いてみる。見知らぬ景色を眺める。風が気持ちいい。家に戻るとやり慣れてない自炊もして、ご飯を一合炊いて一食で食べた。

自粛期間が空けて本格的に勉強を再開する。
前回の試験の勉強と決定的に違うことがあった。

外に出た。

喫茶店をハシゴして、集中力が途切れると一度店を出て、街を歩く。景色を眺める。また、喫茶店に入る。お金はかかるが、ずっと家に籠っているより捗った。何より楽しかった。試験日が、つまり夏が近づくと汗もかいた。エアコンかけっぱなしの家の中では汗はかかなかった。

試験の2ヶ月前からコワーキングスペースに行き始める。喫茶店のハシゴはお金がかかり過ぎるし、いうても長時間の滞在は出来ない。
とにかく、家から出てコワーキングスペースまで行って勉強が行き詰まるとまた散歩した。試験数日前はエナジードリンクにも手は出したが、ちゃんと食べ物も胃に入れた。

試験日前日、コワーキングスペースの店員さんが手書きのメッセージをくれた。

試験日当日、体調は悪くない。午前午後と試験はあって、休憩中は会場の周りを散歩した。

前回と違ったことは、籠らなかったこと。
コワーキングスペースの店員さんのメッセージは今でも財布に入っている。

試験は合格していた。
自己採点やらネットでの試験の総評やらでなんとなく合格していると思っていたが、発表されると嬉しい。その日、年末調整セミナーに参加していたが、セミナー中にこっそり携帯で結果を見て、嬉しさを必死で抑えた。

前回の試験と違ったことは、籠らなかったことだ。1人で家に籠ってメンタルが追い込まれて、勉強の遅れを取り戻そうとエナジードリンクの使い方間違えて自滅した前回と違って、たくさん街を歩いて、風景を見た。それで、心の余裕を保つことができた。コワーキングスペースの店員さんからメッセージをもらうなんてことも家に籠っていればなかった。

今年も社労士試験が迫っている。
年に1回の試験。追い込まれるのも痛いほどわかる。
社労士試験でなくても、コロナ禍の今、籠ってばかりだとメンタルのバランスを崩してしまう。心の健康を保つための散歩は不要不急の外出ではない。

外に出て、風景を見よう。風に当たって、空気を吸ってほしい。年に1回の社労士試験、一生に1回の人生。心に余裕を保とう。

でもって、エナジードリンクはほどほどに。

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