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【日刊辛愛媛】何故できない?「松山」ナンバー(加筆再掲)

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〜10月10日 00:00

◎遠くから四国を俯瞰して見ると、自らを四国最大の都市と誇る愛媛県松山市と、名実共に四国の中核都市を名乗る香川県高松市の対比が興味深い。

 近年、両市を訪れて感じた率直な印象は、“スピード感”が違うという点だろうか。車のスピードは道路整備が進んだ香川に、伊予の早曲がりという交差点の右折術は愛媛に軍配が上がる。
 そのスピードは余談として、つまり街づくりの速度が全く違うという点だ。松山は平成時代から殆ど手つかずの街並みでインフラとしては道路整備がやや進んだ位。一方の高松は積極的に再開発が進み、高層ビルがそびえ、政令市の風格を既に持つ。
 現在、松山はJRの高架化に伴う新駅舎建設や、伊予鉄道松山市駅前ならびに中心部一番町の再開発がようやく具体化しはじめた。だが、建物の高さを巡っては松山城の景観を守ること(しかし、先日の土砂崩れで城下の安全は守られていない)を念頭に、100m以上の高層ビルが建てられない。そして、住民たちもそれを支持する声が大きい。ともかく現状維持が好きな街である。

ハコモノは要らない議論に当てはまらない松山

 最近、人口が最近50万を割ったと大騒ぎの同市だが、これは全国的な趨勢でやむを得ない。恐らく将来は松山と高松の人口は40万前後で僅差となり、あるいは逆転するかもしれない。問題は人口減の将来において、いかに都市を活性化し若い世代が定着し産業の発展を推し進めるか、戦略的な都市計画が大事になる。よくハコモノづくりはもう要らないという意見があるが、松山には今までハコモノ自体がなかったのだ。
 一方の高松は、駅ビルの完成で集客増が話題となり、近く巨大アリーナが完成する。道路や鉄道のインフラ整備が加速し、空港には多数の国際線が離着陸する。

有能なのに自己アピールが下手な例

 財政状況が厳しい中、都市間競争に打ち勝つ戦略やビジョンを後者は平成時代から維持発展させている。何もそれはハコモノだけでなく、冒頭の車に関連しても「高松」ナンバーを新設し、県内外にアピールしている。当然それが松山にもやって来て往来するが、ならば「松山」ナンバーをという動きはなく、市のHPで市民から同様の声にも、原付バイクの雲形デザインの松山道後ナンバーがあるからと論点ずらしの回答が。

筆者の直近訪問時、香川から高松への切り替え率は同市内で見たところ約4割。「高松」ナンバーは首都圏でも見かける

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