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《政界細片》政権洗濯選挙
◎衆議院選挙は与党敗北、立憲・国民の躍進で幕を閉じた
今回の衆院選、争点は景気対策、社会保障など様々あったが、勝敗の分かれ目は「政治とカネ」だった。
墓穴を掘って争点を作り出した自民党。直前に総裁に就いた石破総理による衆議院解散がたとえ無かったとしても、早晩国民から同じ審判が下されたであろう。
そもそも故安倍元総理とその周辺が撒きちらかした金権腐敗のツケが石破氏に回って、自ら貧乏くじを引きにいった印象が強い。しかし、石破氏は悲願の総理就任を簡単には手放すはずもないし、筆者はよくあれ位の議席減で済んだと驚いている。仮に石破氏以外の誰か、例えば常に敵味方を意識し自己愛に満ちたあの女性が総裁に就いて戦っていたら大惨敗だったに違いない。
そして、とばっちりを受けた形の公明党。統一教会問題は、立党の背景から見れば最も追及すべきであり、党名からして一番カネにクリーンであるべき政党が、親友を厳しく諌められなかったのは問題だ。正義感が強く熱心な支持者からも残念だという声を直接聞いた。それ故か、埼玉では石井代表が敗れるという波乱があって、多くの議席を失ってしまった。
歪な一強多弱を否定した国民
これに対して、政権批判の受け皿となった立憲民主党と国民民主党。立憲の野田代表は民主党政権末期、政治改革の名と引き換えに安倍氏に政権を明け渡してしまい、その後の内政外交の混乱は言うまでもない。その意味で野田氏は謂わば戦犯であり、もともと自民党重鎮議員の風貌で安倍氏に弔辞まで述べた彼だが、袂を分かった節操なき離党議員とは違い留まって伏線回収した。それには余りに長く大きな代償を支払った。しかも今回大勝したとはいえ、それは敵失によるものであり、立憲の政策が支持されたわけでもない。更に大躍進した国民民主党は、これから野党共闘に向かうのか、政権入りして自民の補完勢力となるのか動向が注目される。
そして、大阪で公明と全面対決して勝った維新だが、今回も全国政党へ拡大は果たせなかった。それになり得なかったのは、関西における光と影、特に兵庫県知事問題の対応や大阪万博への強引手法、全国一高い大阪の介護保険料等、全国政党に求められる幅広い政策実現要件に欠けていたと言わざるを得ない。
こうして見ると、ようやく一強多弱の歪な与野党の構図が崩れ、どの政党も単独では政権を担えない時代に入ったといえる。今後は様々な政治的駆け引きが続くと思われるが、特に自民党は選挙を禊にしてしまい、政治資金改革をやり遂げなければ、来年の参議院選挙は今回以上の大惨敗とみる。
そして、解散と順序が逆になってしまった予算委員会での本格的論戦を国民本位で推し進め、与野党共に党利党略でなく、大衆迎合でもなく内外の諸課題に真剣に取り組んでほしい。
政権洗濯は政権選択の出発点
今回の衆議院議員選挙は、政権発足から史上最短で解散し投票が実施された。新政権のぼろが出ないうちにとなだれこんだ選挙戦。だが、選挙中から非公認が代表を務める政党支部に2千万円の活動費支給が明るみとなって大敗した自民党。それでも議席が不安定な同党からは、早く帰ってきてほしいばかりに今後は非公認当選議員の公認追加を急ぐと思われる。
虎視眈々と石破総理の後を狙う者は今後、恐らくは統一教会問題も政治資金問題も不問にせよと改革には後ろ向きで、自らの政治基盤を固めるべく派閥復活に動くだろう。
石破総理は譬え戦後処理内閣として短命であったとしても、長期にわたって形成された腐敗の病巣を除去し、徹底的に政権内部の自浄能力を高める洗濯をしていかなければ、次は本当に自民党が国民の政権選択肢から外れてしまうだろう。
(以下随時追記)