
反省文 その1
週末の夜の学びの場であり憩いの場、オーガニックラーニング。
そこは、私の非日常であり、どこか似通った感性や思考を持った人たちが集うので、とても刺激的なサードプレイス。
同業者が多いため、教えていただける実践例はぜひとも真似してみたい。
がしかし、現実は…
今回は、その実践例を自分の現場で実践した結果、反省していることを綴りたいと思います。
すでに出だしから不穏でしょ?先に白状すると
「だってうまくいかなかったんだもん」
ディクトグロス
昨年の今辺りの時期だったか、横浜の高校にお勤めの先生が紹介されていた手法です。
詳しくは省きます。ぜひ本を読んでほしい。
実践を終えた後では、すでに自分の理解も正しかったのか、疑わしくなるばかりで。
私の理解では、「生徒が英文を聞いてメモをとり、そこから内容をリプロダクトするもの。ディクテーションとは違う」という感じなのですが。
この「リプロダクト」という作業がどの程度できるようになるんだろう、と自分の生徒たちにやってみたくなってワクワクしたことを思い出します。
「きっと私は1年部だろうから、3年かけて育てつつ、英語力を向上させたいな」、なんて夢見ながら。
頓挫の第1段階は、私が2年部に所属になった事。
次に、「論理・表現」で実施すると、語法の確認やアウトプットにもなり有効だろうな、と思っていたのに、自分の担当科目には「論理・表現」はなく。
更に、担当するクラスがどのクラスも「難しい」クラス。中には授業を成立させるのに試行錯誤を繰り返して、とても新しい実践という余裕が自分になかった。
それでも。
やってみたい!という熱意はあったから、冷静に生徒を見極めて、方法を考えてみた。
英語コミュニケーションの各単元パートのサマリーアクティビティとして扱ってみたらどうだろうか。
いきなり聞いた内容をリプロダクトと言ってもハードル高そうだから、まずは「穴埋めディクテーション」で慣れるところからならできるだろうか。
とりあえず、まずはやってみよう。そこから生徒の様子を見ながらマイナーチェンジしていけばいい。
「穴埋めディクテーション」から「Look up リーディング」という流れを作って、生徒も慣れてくるとかなり楽しそうに活動してくれているんだけど、
ただ「楽しい」だけで終わっている気がした。
それでも、活動そのものには慣れてきたので、満を持して3学期でいよいよ「ディクトグラス」にチャレンジ。
育てるべきは英語力かマインドか
結論から言うと、「生徒自身が思考して、生徒の英語でリプロダクトする」というところには至らず、ただの「ディクテーション」になって終わってしまった。
とはいえ、生徒はやはり楽しそうではあり、1Lesson 4 partで期間限定の試行であったにも関わらず、次のLesson になり、ワークシートのその部分が白紙なのをみて「え?あれ?」と残念そうにしていた顔を見たときには、「慣れと忍耐って大事なのね」と妙な納得をしてしまった。
でも「楽しいだけ」なんだよね。
生徒がこっそり書いてくれた感想には、「だいぶん、英語がわかるようになり、聞いた英語を英語で書けるようになったのは嬉しい」という好感触もなかったわけではないが、私が読み上げた英文をそのまま書き起こすんじゃなくて、理解したことを生徒自身の英語で復元する、というところには至らなかったのが残念。
至らなかった理由は何か。
これは私が「教室では失敗してもいいんだ」というマインドを育てられなかったから、ということに尽きると思う。
現在の勤務校の生徒は「正解が何か」という明確なもの以外は受け付けない傾向が強い。それが授業者にとっては物足りなく感じることもある。
また、英語で英語を考えるという活動をするには、彼らの英語学習に対するポジティブな姿勢を育てることができなかったのも痛感しきりである。
もし、その姿勢を育てられることができたのであれば、もっと英語で英語を表現するほどの語彙力も向上したのでは、と思うから。
むずかしーなー。んー、むずい。その「マインドを育てる」ってのが結構むずいよ。なんせ、今年度は私がいろいろ「ふてくされモード」だったから、余計に。(だからだよ)
今年度やってみて、それでも生徒のポジティブな姿勢が少し見られたから、来年度も引き続き試行をしてみようと思っている、というのが今のところの本音です。