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【和訳】P(バットホール・サーファーズのギビーがやってたバンド)/The Deal
自分は、語学力の向上を目的とし、週に一度洋楽の歌詞を和訳した文章をnoteに投稿している者です。今週は"P"というバンドの"The Deal"という曲を訳しました。
Pは、バットホール・サーファーズのボーカルを担当しているギビー・ヘインズが1993年に在籍していたバンドです。他のメンバーは俳優のジョニー・デップ、同じく俳優のサル・ジェンコ、ソングライターのビル・カーター。具体的な年数は記載されていませんでしたが、ウィキペディアの情報によると活動期間は短かったそうです。バンド名"P"をそのまま冠したアルバムが、キャピトル・レコードから1995年に発表されています。
なぜこの曲を選んだのかと言うと、自分はこれまでに二回バットホール・サーファーズの歌詞を訳したのですが、その都度ギビー・ヘインズの詩世界に不思議な魅力を感じてきたからです。
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日常と幻覚が混然としてはいるが、その中において、自分の感情や意見を語る際の口調はあくまで冷静さを保っている。常人には見えない物が見えているが、それを「自由」や「特権」だとは考えずに、ただ「そういうものだ」と大人しく受け入れている。自分は村崎百郎という人物が心から好きなのですが、ギビー・ヘインズに、頭の中へと執拗に流れてくる電波に苦しみながら、世界を理解する手段として(そんな大層な目的でも無かったのかもしれないが)、夜毎に街中の収集所に捨てられたゴミを漁り続けていた人物に似た魅力を感じております。
世界は「巨大で複雑な共同の妄想」であると気がついているか?
この世から有害、不必要、つまりは「不良品」だと見なされて社会から除け者にされた人物だけが、的確に世界の実像を捉えている(という妄想をこちらに誘発させる)事がある。なぜなら社会とはもともと世界を理想化する為に急拵えで設計された不良システムであり、実のところ、この曖昧な世界から本当に除け者にされているのは「真人間」だと自らを偽っている大多数の方だからだ。「不良品」だけがこの世の理を掴んでいるのだ…という、社会の向上には役に立たない屁理屈。その様な邪なピュアネスがギビーの歌詞からは溢れ出ています。
それで今から訳を書いていくのですが、自分は最初"Genius"というサイトで見れる歌詞を訳していたのですが、その内容が結構不正確でして。それでインターネット内をいろいろ検索して、"P band lyrics"(後記:すみません、これ"P band lyrics"じゃなくて"P deal lyrics"でした!失礼しました!)という、曲と同じタイミングで歌詞テロップが浮かび上がってくるYouTube動画を参考にして訳しました。歌詞が正確に表記されている様に思え、また、歌詞と関連する画像が逐一流れてくる為に意味も掴みやすかったからです。
ただ、本当にサビのフレーズの意味が分からなくて。「何なんだ…何なんだよこれは…」と思いながら無理矢理訳しました。しかし、これは言っておきたいのですが、ちゃんとした英語の知識を持って文法とか完璧に理解出来ている人はわざわざこんな曲を訳しないで普通に世界情勢に関する真面目なニュースとか訳してますよ。こんな曲を自発的に訳する奴なんて目を覆う様なバカに決まってるじゃないですか。しかも、発表から30年も経って。バカが書いた歌詞をバカが訳してるんですよ。バカを楽しませようと思って。バカの、バカによる、バカのための文章を今あなたは読んでいるのです。申し訳無いですが、不正確な翻訳で当然なのだと諦めてください。俺はできる限り頑張った。
P/The Deal
それは 一週間前突然に現れた
厚かましく並んだ帆船の一群
チーズの様な痰が イモ虫を引き寄せて
そして俺の馬は地獄へと座りこんだ
咳から出た痰が原料の
チーズが塗られたあの門をどう思う?
雨の中に佇む人達の顔をどう思う?
昨晩 あの列車に乗り込んだ人達をどう思う?
俺が苦しみを感じているこの感情をどう思う?
取引は 俺の物に乗っている平たい物の中
俺の物に乗っている平たい物の中
取引は 俺の物に乗っている平たい物の中
俺の物に乗っている平たい物の中
銃の引き金の表面に付いたダニが 警官をブチ殺した
俺達の猫は アルボレーンへと飛び去った
駅の三番線に居た変人達は試験に落ちて
小さなあいつは自由だった
食料品店へと行った あの日の旅についてどう思う?
犬の上に置かれたリップスティックをどう思う?
あの夜に 橋の上に立ってたバカ野郎をどう思う?
霧の中のヘッドライトをどう思う?
取引は 俺の物に乗っている平たい物の中
俺の物に乗っている平たい物の中
取引は 俺の物に乗っている平たい物の中
俺の物に乗っている平たい物の中
知る由も無かった 成功しなきゃならないって事を
俺はこのまま最悪な気分でいるつもりなのか?
一度でも 誰かと一緒でいようと思ったのか?
誰かが天気を変えてくれるのかも知れない
孤独な絵だけが 俺の頭の背後に居座るまで
一週間前 太陽が消えた
子供達は 逃げ隠れるしか無くなった
八本足の犬は それを警告した
小さなあいつは嘘をついていた
15歳の黒人のチアリーダーをどう思う?
ネオスポリン・ビブについてどう思う?
氷に包まれた小さなあいつについてどう思う?
生きていく為につかないといけない嘘をどう思う?
取引は 俺の物に乗っている平たい物の中
俺の物に乗っている平たい物の中
取引は 俺の物に乗っている平たい物の中
俺の物に乗っている平たい物の中
それで この物語の教訓は…
エジプトコブラと共にいる天使を絶対に横切るな
輝いてる奴にアイスクリームのコーンを奢るな
汗まみれで残酷な警官のケツを抓るな
ローレン・バコール… 愛してるよ…
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
サビの所に「取引は 俺の物に乗っている平たい物の中」ってフレーズが出てくるじゃないですか。これは正しい意味では無いです。それは自分でも、もう分かっている。
先程書いた、"P band lyrics"を検索して見れる動画だと、当該の箇所ではもう延々と男性器を想起させる映像が流れるんですよ。ペニスの形の雲とかが。だから、男性器の何らかの状態を揶揄した歌詞なのだ、そこまでは俺にも察しは付くんです。ただ"The deal's in the flap on that thing of mine"が何故ペニスと関係する文になるのかがどうしても分からなくて。そもそも、この文でペニスを表す単語(スラング)はどれなのか?"that thing of mine"か?だとしたら"deal"と''flap"は一体何なのか?その様な事をずっと考えている内に「どうして俺はこんな下らない事でこんなに悩んでいるのか」と思って涙が溢れそうになって。「まけるもんか」と必死に堪えました。実際は負けとか勝ちとかの話ですらもう無いのですが。という訳で、サビに関しては「ペニスに纏わる下品な文だと思う」位しか言えません。
いろんな事に対してギビーが「どう思う(What about〜)」と聞いてくるけど、別に真剣に尋ねている様子でも無いし、犬の上に置かれたリップスティックについて思う事も別に無いし、まあ、「世の中って、しょうもない幻覚めいた出来事ばっかりだけど、気楽に生きていきましょうや!」みたいな主張が込められている気がしますね。
という事で、この曲って最後に脈略無くローレン・バコールが出てくるんですが、自分の好きな曲、同じ様に唐突に歌詞にローレン・バコールが出てくるクラッシュの「カー・ジャミング」を貼って、この文を終わらせたいと思います。読んで頂いてありがとうございました。
The Clash - Car Jamming (Remastered)
いい曲ですな!それではまた〜!
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