難ありだが最終的には遊んで良かった「百英雄伝」
幻水が好きで、前日譚であるrisingが良かったので楽しみにしてきた本作ですがなかなか人に勧めにくい作品となりました。
通常私が「勧めにくい」と思う理由は、ストーリーやシステムが独特で良いと思う人と悪いと思う人と半々に別れそう…とかなんですがこのゲームは万人向けな内容だし良いところはちゃんとあるものの、ダメなところが結構ダメ…みたいな感じで勧めにくいです。
でも本当に良いところもちゃんとあるのぉ!そんなダメンズ彼ぴっぴから離れられないおなごのようなセリフと共に、ご紹介したいと思います。
使用ハード: PS4(PS5、Steam、Switch版もあり)
関連作プレイ歴: Rising、幻水1,2,5と外伝
プレイ時間:65時間程度でクリア(仲間は101人くらい)
〜だいたいの内容〜
育った村を離れて自警団に就いた主人公ノア。
任務ですっごい魔力の元になる古代の魔導レンズを調査することから、いろんな事に巻き込まれて行く…。
幻想水滸伝の精神的続編RPG!
◆勧めにくい点について
シナリオやキャラは万人に向きそうなので、いつもだったら「気になったら遊んでよ!」と言うところなのですがそれを言いにくくしているのがロード時間とバトル。
ロード時間については、聞いた感じPS5とSteamは割と良いようです。
PS4は我慢できるけどきつい、Switchもたぶん同じかそれ以下だと思います。
この長いロードが家に入る時と、通常戦闘のエンカウントに入るのが厳しいです…。
さらにSwitchはエラー落ちするようです。
PS4でのエラー落ちは私は1度もありませんでした。
ただたまに本体のファンの音?がすごくてドキドキしたよ!
ではロード時間をクリアできる5とSteamなら?
と言うと、かなり良くはあると思いますが随所で気になる箇所があり、やはり手放しにはオススメできません。
1番は通常バトルがあんまり面白くないところですね…。
キャラもよく喋るしカメラワークも凝ってて良いのですが、UIの微妙なラグからか6人分コマンドを入力するのが面倒で、通常戦闘のほぼ全てをおまかせでやった結果、ダンジョンが
マップを移動→エンカウント→おまかせポチッ→地味に長いので終わるまでソシャゲを触る→終わったらマップ移動
…というループになってしまいました。
ここが面白ければ、もっとオススメできたかなぁと思います。
でも自力入力したボス戦は楽しかったので、システム自体が悪いわけではなさそうです。
◆でも遊んで良かった
そのゲームダメじゃんって雰囲気を醸し出してますがそれでも私はこのゲームを終えて色々あるが結局楽しんだなと思いました。
大部分はシナリオです。
正直これも中盤くらいまで「なんか違うかもしれん」という気持ちでしたが中盤からは「幻水の精神的続編ならば、他のゲームでは見れない、こう言うものを見せてくれるはず」という期待にちゃんと応えてくれました。
ガバいところもありましたがコンセプトとしては貫いていたので合格点です!
ちなみに私が期待していたのは戦争を主体とした軍記物で忠義に生きる人、自分の信念を貫く人などのアツイ生き様です。
2の主人公とジョーイのアレコレこそ幻水と思われてる方だとちょっと期待外れな気がしますが、
私は特に幻水1の、やれ忠義だのなんだのというところから派生する葛藤や覚悟などを見るのがめちゃくちゃ好きなんです。
初期のFEや三国志、日本史で見られるようなアツいシーンがRPGで見たい!これについては叶えてくれたし、このゲームでしか見れない物がありました。
先に述べた通り序盤はゆるめの警備団からなので普通の冒険譚寄りですが中盤〜決戦が近づくにつれてハラハラドキドキの攻防戦が続き、人間ドラマも加速し忠義シーンもたくさん見れて大満足です。
そしてもう一つ、百英雄伝しか見れないもの…それはオッサン、兄貴たちがかっこいい!
女の子も当然かわいいですが、それは他のゲームでも見れるもの。本作のおじさま&兄貴分キャラのかっこよさラッシュはすごい。
見た目がハードボイルドなリアルっぽいゲームなく、こういうイラストのゲームでカッコいいオッサンが大量に出てくるゲームは今めちゃくちゃ貴重ではないかと思います。
1人2人じゃなくてたくさんいるんだぞ!?やばい!
ついでに言うと人外も山ほど出るので可愛い子もイケメンもカッコいいおじもユニーク人外もたのしめる贅沢な一本!
あと声オタに優しい。
普通に遊んでても声いっぱい撮ってるなって感じですが、劇場とか言うコンテンツ最高です。
配役を仲間にできる英雄(120人)全員から自由に組み合わせて選んで演劇をフルボイスで楽しめます。
「このキャラがこんな役を」という美味しさと、「中の人のいろんな演技が聞ける」という美味しさ、Wでめっちゃ美味しい。
ちなみに登場声優さんの一部をご紹介しますと、
内田真礼さん、弟の内田雄馬さん、堀内賢雄さんや子安貴人さん、阿部敦さん、赤崎千夏さん、釘宮理恵さん、石川界人さん、私の大好きな小野友樹さんなど。
私の劇場オススメは遠藤綾さん演じるアイリス。
何役もいいけど、特に語り手をさせたら右に出るものはいないのではと言うほど素晴らしかった…いつまでも聞いていられる。
開業まではちょっと手間ですがそんなにキツくはないです。
これ単体でゲーム出してもいいのでは?ってレベルなので声優さん好きはぜひ触ってみてください!
総評
イマイチなストーリーだなーと思ったゲームを「いつか面白くなるかも」と思って遊ぶとだいたい95%は「やっぱイマイチだったな…」で終わりがちですが、本作は最初を耐えて遊んで良かったと思える後から面白くなる貴重な作品です。
ただそこに辿り着くのが長いので…次回作など出たら良くなるかなぁ。
期待したいところですが、シナリオの村山さんが亡くなってしまわれたのでどうなるか…ただ、次の作品も注目していきたいと思えるほどには、好印象のゲームだし終わってからガイドブック買いました!
幻水や前日譚Risingが好きな方なら、思い出や愛の力で諸々乗り越えて熱いシナリオを楽しめるかも。
それがない新規の方は盛り上がる前にやめてしまうかも…という印象です。とても惜しい。
あとRisingの3人は可愛かったです!