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つっつクラフト今までの歩み ❶

《MinecraftとYouTube - マイクラ実況で育んだコミュニケーション力》

■YouTubeでマイクラ実況を見る側から発信する側へ

マインクラフトが大好きなお子さんの中には、
YouTubeでマイクラ実況を見るという子も多いのではないでしょうか。
わが家のつっつ君も、熱心にYouTubeでマイクラ実況を見ている時期がありました。

その後つっつ君は自分自身でもYouTubeの配信を始め、ただ楽しい動画メディアという以上の豊かな経験をその活動の中から得ることになります。

つっつ君がYouTubeを見るだけではなく自ら発信をすることを選んだ経緯には、
マイクラ仲間とコミュニケーションを取りたいというつっつ君自身の強い願いがありました。


■マイクラのお話しをしたいつっつ君
しかし周囲にはマインクラフターがおらず…

つっつ君がiPadでマインクラフトを遊び始めたのは2才の頃のこと、
大好きなブロック遊びの延長線上で興味を持ってのことでした。
マインクラフトが大好きになったつっつ君は、
周りの先生やお友達にもその話題を積極的に持ちかけるようになります。
ところが先生やお友達にはマインクラフトの話が全く伝わりません。

今でこそ世界中で1億5千万本のシリーズ総販売数を達成し“テトリス”に次ぐゲーム史上第2位を誇る*、子供にも抜群の知名度を持つマインクラフトですが、
2013年の当時はまだ子供のプレイヤーが少なく、未就学児のプレイヤーに至ってはほぼ皆無だったのです。

つっつ君は、周りの人と共有したくなる熱心な趣味に出会うことが出来た一方で、
身近な人々との関心のギャップに直面することになります。
『ぼくはこんなにマイクラが大好きでみんなとお話をしたいのに、なんでみんなはマイクラを知らないんだろう。どうしたらいいんだろう?』
その気持ちを割り切ることもできず、つっつ君は幼い心を悩ませるようになります。

その悩みを解消したのはYouTubeでした。

■つっつ君 YouTubeで家族以外のマインクラフターに
初めて出会う

ある日、つっつ君はYouTubeでマインクラフトの実況動画を見つけました。
『大好きなマイクラのお話しをしている人がたくさんいる!!』
おそらくつっつ君はそう思ったことでしょう。

今まで家の外でマインクラフトを知っている人に1人として出会った事がなかったつっつ君。
それが今遊んでいるのと同じマインクラフトで、家族よりも多い大人数でワイワイと遊んだり、
マイクラ内で作った大きな建造物を紹介したりしている。
それらの動画を発見したときのつっつ君の驚きは、まさに衝撃的なものでした。

その日からつっつ君は、iPadでマイクラを操作しながらYouTubeの実況動画を真似て、架空の視聴者に向けて話しかけるようになりました。


■つっつ君の発信したい気持ちを汲んで
YouTubeチャンネルの開設へ

来る日も来る日もマイクラを操作しながら、熱心に実況のまねごとをするつっつ君。
もちろんインターネットを通じて配信されてはおらず、ひとり遊びの延長線上です。

つっつ君は当時3歳、おそらくはインターネットや動画配信の概念を理解しているわけではありません。
その頃のつっつ君は、YouTubeで沢山の人が同じ画面内で遊んで居るマルチプレイ動画を見ては、大急ぎで自分のiPadのワールドを開くことがよくありました。
『今すぐワールドを開けば皆に合流できる』と思っていたのです。
でもつっつ君のオフラインのワールドは、何度開いてもひとりぼっちです。
どんなに遠くまで探しに行っても誰もいません。
『みんなはつっつと同じマインクラフトの世界にいるのに、みんなはいっしょに遊んでいるのに、なんでぼくだけ』
そう涙をこぼすことが何度もありました。

仕方がないので、つっつ君は1人で実況風のおしゃべりをしていました。
その姿は『こうしてiPadの前で話せば(仕組みはよく分からないけれど)きっと同じようにどこかの誰かに届くはず』
そんな風に考えていたようにも思います。
いずれにせよ、つっつ君がマイクラ仲間を見つけた事を心から喜び、
その仲間達と何とかコミュニケーションを取りたいと望み、
そこに向けて一生懸命発信しようと努力していることは明らかでした。

その様子を見たおとうさんは思いました。
「どのみち発信をしようとするならば、架空の視聴者ではなく、実際の視聴者に向けて話しかけた方が彼にとっても良いのではないか? そしてそこから得られるコミュニケーションは、彼の成長にもつながるのではないか?」
そうして4才の誕生日プレゼントに、つっつ君が自分のプレイを発表する場としてYouTubeチャンネルを開設したのが、つっつクラフトの活動の始まりとなります。


■YouTubeで実況することで上達した
言葉でのコミュニケーション

つっつ君はまず、おとうさんと一緒にマルチプレイをしながら実況に挑戦していきました。
最初は「きのこを食べなくちゃ、パクパクパクパク」など、今やっている事を素朴に言葉で表現することから始めました。

3ヶ月後には、つっつ君が自分で作ったものを
「看板(に書いた文字)は、“扉は気をつけてね”なの」と説明するなど、
自分で作ったものを紹介する積極性が見られるようになりました。

そして6ヶ月後には「みんなで畑に乗って、ご視聴ありがとうございましたって言うの」などと、
見る人を意識したおしゃべりができるようになりました。

実況を始めた当初はたどたどしかったおしゃべりが、
マイクラ実況に取り組んだ6ヶ月の間にめきめきと上達していったのです。

■視聴者が見守ってくれることで育まれた自信と誇り

また、つっつクラフトの視聴者の中には、コメントをくれる人たちがたくさんいました。
コメントをもらったつっつ君はとても喜んでコメントを返し、
さらに気合いを入れて実況に取り組むようになりました。
そしてそれは彼の中に自信を育み、コミュニケーション力を飛躍的に伸ばすことにつながりました。

これはお家の中でおとうさんとコミュニケーションをとっているだけでは、
おそらく達成できなかったことです。
家族ではない、外の人に評価されるからこそ、彼は誇りと喜びを感じて発信を続ける事ができました。

「発信する→外部の視聴者に評価される→モチベーションが上がる→そしてまた発信する」
そのような学習のサイクルが自然と出来上がったことはとても恵まれたことであり、YouTubeで動画を配信することで得られた貴重な経験です。


■YouTubeでの活動がつっつ君に与えてくれたもの

実況やコメントを通してマイクラ仲間と交流するようになってからのつっつ君は、とても明るくなり、そして大きく成長しました。
2019年の今日、つっつ君は現在小学2年生。
マインクラフトで遊ぶ同級生も身近に増え、学校でマイクラ話をする相手に困ることはないでしょう。

それでも4才から小学校に上がるまでの3年間。
ずっと共感者の得られない孤独に耐えていたか、
それともマイクラ仲間とコミュニケーションを取れたかの違いは大きいように思うのです。
つっつ君が動画配信の時代に生まれ、
またマインクラフトという人気のコンテンツに出会えたことは幸いなことでした。

2才からのつっつ君の毎日を変えてくれたマインクラフトと、
その毎日を支えてくれたインターネット上のマイクラ仲間には、親としてとても感謝をしております。

そして、つっつ君は今日もマインクラフトで遊びながら、次々と出会いの扉を開いています。

[追記]
*:2019年5月にMinecraftは累計販売本数が1億7600万本突破し、世界で一番売れたゲームとなりました。

この記事は2019年1月初頒布の「つっつクラフトのゲーム教育論」から抜粋したものです。
また、本記事はファンによる制作物であり、MojangおよびNintendoとは一切関係ありません。

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