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仲山進也さん講演レポート〜「組織のネコ」という働き方~
「組織の中にいながら、自由に働く。」
そんな言葉にピンとくる人もいれば、「組織に属する限り、自由なんてありえない」と感じる人もいるでしょう。
今回の講演では、楽天大学学長であり、『組織のネコという働き方』の著者でもある仲山進也さんが、新しい視点で組織と個人の関係を紐解きました。私自身、数回目の聴講となる仲山さんの講演ですが、自分の立場やステージが変わるたびに、刺さる部分が変わるのが面白いところ。
今回も多くの気づきを得られました。
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1.「組織のネコ」とは?
仲山さんの提唱する「組織のネコ」という概念は、組織の中で自律的に動きながらも、自分の意志を持ち、柔軟に価値を生み出していく人のこと。
一方、「組織のイヌ」は、指示命令に忠実で、組織のルールや枠組みの中で成果を出していく人を指します。
ここで大切なのは、「ネコが良くて、イヌが悪い」という話ではないこと。むしろ、組織がどのフェーズにあるかによって、求められる比率が変わるのです。
スタートアップや変革期の企業ではネコやトラ(自ら道を切り開く人)が重要ですが、安定した組織ではイヌやライオン(ルールを守り、組織を強くする人)が欠かせません。
2.チームビルディングと組織の健全なバランス
講演では、聴講者が2人1組や3人1組で話し合うワークが随所に入るのが特徴的でした。
このワークを通じて、「自分はネコなのか?イヌなのか?」を考えながら、チームの中での役割を見直すことができます。
イヌとネコのバランスが、組織の状態を左右するということもわかりました。
例えば、新規事業を立ち上げるときは、ネコ型のメンバーが多いほうがスピード感を持って進められる。
一方で、事業が軌道に乗ってくると、イヌ型のメンバーが入ることで、業務が整理され、長期的に安定する。
この視点を持つだけで、「この人はなぜこう動くのか?」というコミュニケーションのストレスが減り、チームビルディングがスムーズになると感じました。
3.「こじらせたイヌ」と「こじらせたネコ」が組織を停滞させる
さらに、仲山さんが強調していたのが、「こじらせたイヌ」と「こじらせたネコ」の存在。
●こじらせたイヌ:指示待ちで、自分の頭で考えず、うまくいかないことを他責にする。かつパフォーマンスもふつう。
●こじらせたネコ:言われたことをやらず、自分勝手に動いてしまう。かつパフォーマンスもふつう。
「これらのタイプの人が増えると、組織は機能不全を起こす」とのこと。
大事なのは、イヌとネコが健やかに互いにリスペクトし合い、強みを活かし合う関係性を築くこと。
4.「加減乗除」の法則で見る働き方の進化
また、働き方には「加減乗除」の4ステージがあるという話も興味深かったです。
①加(足し算):あらゆる経験を積み、できることを増やす。
②減(引き算):得意でない仕事を手放し、強みに集中する。
③乗(掛け算):強みと強みを掛け合わせて独創的な価値を生む。
④除(割り算):仕事を因数分解し、強みを中心に統合する。
これは、キャリアの成長だけでなく、組織の進化にも当てはまるということも強調されていました。
組織が成長フェーズにあるときは「加」の段階でとにかく手を広げることが必要ですが、成熟期に入ると「減」や「乗」にシフトし、精度を高めていく。
つまり、組織が今どのステージにあるのかを見極めることが、適切なマネジメントにつながるのです。
5.個人的な気づき
今回の講演は、2025年最初の講演同行となりましたが、まさに「自分や他人、会社を俯瞰的に見る」きっかけを作ってくれる内容でした。
「自分はネコなのか?イヌなのか?」という問いを通じて、ただの性格診断ではなく、組織内での役割を見直す機会になったと感じています。
私自身、チェックテストの限りでは、イヌかネコかの判定では、100%「ネコ」寄りの結果。
つまり、組織にいながら自由を求めている。
この特徴を生かし、パフォーマンスを高めていくことが強みを生かすことになるということが確認できました。
6.まとめ:すべてのビジネスパーソンに響く講演
仲山さんの講演は、マネジメント層だけでなく、すべてのビジネスパーソンにとって学びのある内容だと感じました。
●組織のイヌとネコの違いを理解することで、コミュニケーションが円滑になる。
●チームビルディングの観点からも、自分や周りの立ち位置を知ることが大切。
●「加減乗除の法則」を意識すれば、キャリアの成長や組織の発展にも活かせる。
毎回、仲山さんの講演を聴くたびに「今の自分に必要な気づき」が得られるのが本当に面白いところ。
もし、組織の中で「モヤモヤ」を感じているなら、「ネコ的な視点」で物事を見直してみるのもいいかもしれません。
追伸:
仲山進也さんへの講演依頼も承っています。
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