【詩の森】流行ことば
流行ことば
流行だからといって
新しいことばを
むやみに使わないようにしています
なぜなら
そのことばを使えば
たとえ意図的でないにしても
その意味するところを認め
広めることに
加担してしまうからです
たとえば忖度
マスメディアが使用して
あっという間に広まりました
もともと忖度は
忖度した側だけで
自己完結することばです
それゆえ
誰かの指示・命令という疑いは
吹き飛んでしまいました
そうやって
ことばが立って
メディアのなかを歩き回ると
現実はどうあれ
人々は流布されたことばを
信じてしまうのでは
ないでしょうか
その証拠に自分でも
使ってしまうのです
復興五輪が終われば
復興は成ったものとされ
風評被害ということばが
流布すれば
放射能はもはや
なかったことにされるのです
コロナ禍や
温暖化ということばに
どれだけの人が
立ち止まったのでしょうか
地球規模の
ことばのアドバルーンに
僕らは引きずられているようです
最近では
気候変動では生ぬるいと
気候危機ということばも
生まれました
国連の著名な誰かがいえば
メディアがこぞって
取り上げるからです
しかし
ほんとうはどうなのでしょう
科学者のなかには
温暖化を唱える人もいれば
寒冷化を唱える人もいます
コロナを煽る人もいれば
コロナに乗じた
人権抑制を憂える人もいます
ほんとうのほんとうは
自分で判断するしかないのです
だから僕は
流行ことばを
むやみに使わないようにしています
なぜなら
そのことばを使えば
たとえ意図的でないにしても
その意味するところを認め
広めることに
加担してしまうからです
ところで
あなたはどうですか
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