アナザーコード リコレクション 二つの記憶/記憶の扉 レビュー
1.作品概要
ハードボイルドな推理もののゲームを手がけた会社シングが、Nintendo DS向けに2005年に発売したアドベンチャーゲーム「アナザーコード 二つの記憶」と、2009年にWii向けに発売した「アナザーコードR 記憶の扉」の2タイトルをSwitch向けにリメイクした作品。シングは倒産したので、シングの開発陣が残るアークシステムワークスがリメイクを担当した。
2.ストーリー
二つの記憶…両親を亡くし、叔母であるジェシカに育てられたアシュレイは14歳の誕生日を迎える前日に、死んだはずの父親、リチャードからの手紙が届く。手紙に書かれた父親がいる場所、ブラッドエドワード島へと向かうアシュレイは、ジェシカが父親が生きていることを隠していた事等複雑な感情を抱えていた。
島に到着するとジェシカと逸れてしまう。ジェシカを探し島に佇む洋館を探索している途中、
アシュレイはゴーストのディーと出会い、2人はそれぞれの目的のために行動を共にする。
記憶の扉…ブラッドエドワード島での出来事から2年が経ち、リチャードとジェシカと3人で暮らすようになったアシュレイだが、仕事の都合で半年も家に帰ってこないリチャードとの間に溝を感じていた。そんなある日、リチャードからキャンプをしないかとジュリエット・レイクに来るように誘われる。アシュレイは到着早々マシューという少年にカバンを盗まれ、来たことに後悔しながらも、ジュリエット・レイクで出会う人々と打ち解け始める。キャンプに来たものの仕事に追われるリチャードに疑問を感じながらも、ジュリエット・レイクの至る所で母親、サヨコと過去にジュリエット・レイクに訪れた記憶が蘇っていく。
3.オリジナルからの変更点
・探索が「二つの記憶」は頭上ビュー、「記憶の扉」は3D描写ではあったものの横スクロール(スクエニの「VARIOUS DAY LIFE」に近い)であったのに対し、本作ではどちらも3DのTPS視点に変わった。
・謎解きがオリジナル2作品とも、ハードの特性に特化した謎解きであったため、本作では謎解きはほぼ一新されている。
・ストーリーに若干の加筆がある。
・「記憶の扉」の登場人物、マイク・タイラーの名前が、イアン・タイラーに変わっている
・「記憶の扉」の登場人物、サム・ヒルマンが登場しない代わりに、エリザベスの女友達として登場していたジャネット・ライスがサムの役割に変わっている。
4.感想
良い点
・リメイクと言うよりは新作。それくらいに刷新されており、非常に良い
・感情移入がしやすくなった。加筆のストーリーや、一枚絵ではなく3Dで表現されたキャラクターには、命が吹き込まれた感覚がある。
・これは賛否両論あると思うが、謎解きが主にボタンで完結しているのが良い。ハードの特性を活かしたDS版は携帯機であるにも関わらず、外で遊んでる時に小っ恥ずかしかったので、今回は非常に良かった。
・キャラのビジュアルが全てにおいて向上している。
悪い点
・カメラの視点操作。特に「二つの記憶」でかなり苦労した。
・章ごとのロードができるようにすべき。
・若干謎が簡単に思えた。これはオリジナル版にも共通した意見。
5.おすすめ度合
・推理や謎解きが好きな人にとっては若干物足りないかもしれない。
・物語重視であればかなり好きになれると思う。
・キャラ推しであればキャラは皆個性的で面白いと言えるが、それは「記憶の扉」に限り、「二つの記憶」ではあまりキャラは登場しない。個人的にはジェシカが好き。「記憶の扉」のジーナも好き。エリザベスのペットのプリンセスも可愛い。
アシュレイの髪の色はどんな遺伝なんだろう?
・ボリュームを求めるのであれば、アドベンチャーとしては及第点(両方合わせて大体20時間くらい)
6.まとめ
シングの作品がリメイクされること自体諦めていたので、9月のダイレクトで紹介された時はかなり驚いたし、嬉しかった。「ウィッシュルーム」「ラストウィンドウ」もリメイクされて欲しいし、ワンチャン新作も期待している。
動画でもレビューしてます。
https://youtu.be/9dEymnIgaao?feature=shared