見出し画像

十数年越しの年金アドバイザー試験

年金アドバイザーという資格の存在を知ったのは、社労士試験に受かった後のこと。20年近く前になります。
 
「いまのうち勉強すれば、まだ年金の知識が頭にあるし、受かりやすい」
そのような声を資格学校から聞いたような気がします。
(けれど、資格マニアになっても……)
どれだけ役立つのか分からず、結局、試験内容を調べることもないまま、その存在が頭から離れていきました。
 
そんな私でしたが、この前の日曜日、年金アドバイザー2級(銀行業務検定協会主催)の試験を受けてきました。
きっかけは、年金の研修です。
昨年、社労士の開業登録をし、年金の勉強をする機会が増えていきました。
ある研修で、年金アドバイザー資格のことが話にのぼったとき、
(そうだ、そんな試験があった……)
再びその存在が、頭の中でクローズアップされてきたのです。
 
年金アドバイザーの資格がなければ年金の仕事ができない……というわけではありません(実際に、ここでも私は年金のことを書いています)。
ただ、せっかく勉強をしているのであれば、受けてみてもいいのでは……。
ということで受験を決めました。
いざ勉強してみると、その中身の濃さに驚きます。かなり実務的です。

 

📝どのような試験なのか?

 
詳細は別に譲るとして、私の考える特長を何点か挙げてみます。
 
📒1級が存在しない不思議な試験
試験は4級から2級までです。1級は存在しません。
2級は、”横綱万年不在の大関”といったイメージでしょうか。
なぜ1級がないのか、確たる理由は分かりません。
ただ実際に2級を勉強してみると、「もっと難しい試験を作るのは難しいのでは……」と思わされました。
 
📒3級と2級との壁
3級は5択のマークシート。また、一斉に会場で受けるタイプ以外に、パソコンで受けるCBT試験(随時試験)もあります。
一方、2級は記述式。年に1回のみ、会場型です。
これだけでも格段の差があることが分かります。
ただし、学習範囲はほぼ同じです。現に、テキストは2級専用が販売されておらず、3級用を使用しました。
 
📒受験地はたくさん
大都市以外の地方に住んでいると、気になるのは受験地。
東京まで受けにいくことを予想していましたが、案外、受験会場があちこちにあることを知り、ホッとしました。
私の住む県では3か所でした。
近くで受けられるのは助かります。

📝社労士試験に受かった人でも落ちる理由


さらに気になるのは難易度。
合格率だけで見ると、社労士試験より4倍ほど高く、易しいのではないかと思えます。
しかし、「社労士試験に受かった人でも落ちる」と耳にしたり、ネットで見たり……。
どれだけ難しいのか?
実際に過去問を解いてみて、理由が分かりました。
 
📒①運は通らない記述式
社労士試験は、5択と語群選択の問題とから成り立っています。
「これ、どっち?」と迷ったとしても、運がよければ合っていることもあります。
一方、年金アドバイザー2級は、記述式です。単語だけでなく、文章で要件を答える問題も出題されます。
たとえば、障害年金の保険料納付要件。原則と特例を文章で記すため、細かく覚えていなければなりません。
 
📒②連鎖ミスに注意の計算問題
社労士試験はマークシートです。計算問題はそれほど出題されません。出題されたとしても、暗算で済むようなものです。
一方、年金アドバイザー2級は、きちんと計算問題が出題されます。電卓必須です。
怖いのは芋づる式で間違える可能性があるということ。
たとえば、事例を元に、
「保険料納付済期間は何ヵ月間か?」
という出題の後に、
「65歳から支給される老齢年金の金額を求めなさい」
という主旨の問題が出された場合。もしも、前者でうっかりミスがあると、後者も必然的に間違いとなりえます。

 

📝全体的には社労士試験のほうが難しい


社労士試験には、年金科目のほか、労働基準法、労働安全衛生法、労災法、雇用保険法に健康保険法などなど、科目がいくつもあり、さらにそれぞれ足切りがあります。
勉強範囲は年金アドバイザーと比べると、かなり幅広いものです。そこに社労士試験の難しさがあるのかもしれません。
 
また、先ほど、年金アドバイザー試験では、「より細かく覚えなければならない」と書きましたが、実際の仕事で必要なのは、暗記よりも理解力でしょう。1から100まできちんと覚える必要はないですし、要件を教科書的にスラスラ丸暗記し続けていることも現実的とは言えません。
たとえ本を見ながらでも、相手の方に正確に、理解できるように伝えることのほうが大事ではないでしょうか。
記述式の年金アドバイザー試験よりも、マークシートの社労士試験のほうが生温いなどと言う気は、一切ありません。

ただ、年金アドバイザー2級試験は、事例を元に計算する問題が多いため、基礎だけでなく応用が求められます。
私自身はいまさらですが、勉強してよかったと思っています。
社労士試験の前後に、セットで受けるのもよいのではないでしょうか。

 

📝5月になったら……


まだ合否が分からないため、勉強方法等について書くことは控えておきます。
合格していたら、その後に記す予定です。
不合格であった場合には……、幻の記事といたします 👩‍💼 
 

いいなと思ったら応援しよう!