INANIMATE EXISTENCE / The Masquerade 【音楽レビュー】
Endless Waves
Buried Beneath Scars
The Masquerade
Into the Underworld
Wandring White Halls
Return to the Dream
Heart of the Inferno
Ending the Ritual
US産テクニカルデスメタル、2022年リリースの6thアルバム。
メンバー構成は2017年の前々作以降変わらず、Cameron Porras (Gt.,Vo.)、Scott Bradley (Ba.)、Ron Casey (Ds.)のスリーピース。RonとCameronはオリジナルメンバー。
因みにRonは、同じくUSテクニカルデスバンドのCONTINUUMにも在籍中。過去にはFLESH CONSUMEDやBRAIN DRILLでも叩いていたり、あのDISGORGEのライヴドラマーを務めたこともあるほどの超実力者。前よりめちゃくちゃ痩せてるのが気になる…。
タイトで手数足数の多いドラムに乗せてピロピロザクザク弾きまくるギター、静動緩急メリハリのある展開と、よくあるタイプには違いないが、独特の妖しさと叙情性が強めに出ているのが特徴的なバンド。
宇宙っぽい雰囲気を纏う同系統のテクデスバンドが多い中、このバンドは、奇妙な夢の中の世界、みたいなイメージを連想させられるサウンドで、メロが聴きようによっては和風っぽいこともある。雰囲気はDECREPIT BIRTHの2ndアルバムにちょっと似ている。
ヴォーカルはドスのきいたグロウル主体で、起伏はほぼ無い。面白味には欠けるけど、ギター弾きながらってこともあるし、あんまりギャーギャー喚くと独特の雰囲気の邪魔にもなりかねないので、これがベストなのかも。
1. Endless Waves
異世界に誘い込むかのような妖しく美しいイントロ、ゆったりとしたヘヴィなリフで溜めてからの、一気にI.EXISTENCEぽさ全開のメロで疾走する序盤から最高。
2. Buried Beneath Scars
これも冒頭からI.EXISTENCE以外の何物でもないけど、0:40あたりからの邪悪な雰囲気のフレーズはちょっと珍しい感じはする。
3. The Masquerade
重量感のあるジャン、ジャーン!を3回繰り返して、4小節目だけ細かいリフとブラストでスリリングな感じを演出する冒頭部分と、そこからI.EXISTENCE節に移行する直前の一瞬のベースソロがカッコ良すぎる。
4. Into the Underworlⅾ
アルバム中、一番好きな曲。始まった瞬間からリフがカッコ良くてゾクゾクする。代表曲になるであろう。MVは白目むいてプレイするCameronが怖すぎ笑
5. Wandering White Halls
疾走パートがほとんど無くミドルテンポで地味といえば地味。その分、ドラマ性が強いというか、想像を掻き立てられる。曲名と相まって、そこはかとない不気味さ、不穏さを一番感じる。
6. Return to the Dream
5曲目とのバランスを取るかのごとく、出だしからブラストに超カッコ良いリフを乗せて疾走する、いかにもライヴで盛り上がりそうな曲。哀愁に満ちたメロが響くラストも最高。序盤でもこのメロをちょっと顔出しさせてるのが更に良い。
7. Heart of the Inferno
重厚なリフに、ドラムが徐々にスピード感を増していく、この20秒ほどのイントロがこれまたカッコ良い。その勢いで最後まで聴ける。
8. Ending the Ritual
バスドラ高速連打ブラストでの激烈な幕開けが最高。しかし中盤以降は、綺麗で幻想的な雰囲気のゆったりとした展開。
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