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二宮
2023年7月31日 11:26
著者 二宮俊博はじめに 前稿において津阪東陽がその死を迎える前年に書いた「寿壙誌銘」に訳注を施したが、これは彼の自叙伝とでもいうべき内容を有する文章であった。ただこの種の文章の性格もあってか、若き日の東陽が遊学した安永・天明期の京都漢詩壇との関わりや文化11年(1814)8月から翌年5月にかけての江戸滞在期における当地の漢詩人たちとの交流については、全く触れられていない。国会図書館蔵の写本