構造デザインの講義【トピック9:曲面構造のデザインを科学する】第3講:ドームの力学とフォルムの可能性
東京理科大学・工学部建築学科、講義「建築構造デザイン」の教材(一部)です
トピック9:曲面構造のデザインを科学する
第3講:ドームの力学とフォルムの可能性(ココ)
ドームの歴史と発展と最先端
古代のパンテオン、中世のドゥオーモなど、当時の身の回りの物、コンクリリートや金属系材料などを使い、建築としての多様な目的を実現するための大空間建築が作られてきました。
アーチやドームの誕生は、人類に新たな建築空間の可能性をもたらしました。
同時に、適切な構造安定を設けないと、建物が崩落する経験を繰り返すこととなりました。
構造を安定させるために、工夫して作られた古代の大空間建築は、重厚で尊厳な、唯一無二の趣を見せています。
その構造美から、人類の悠久の挑戦と、英知の結晶を感じることができます。
大空間は、骨組によって支えられることがあります。
曲面に骨組を割り当てる場合、様々な形状が考えられます。
三角形や四角形が最小・基本単位となります。
トラスをはじめ、ラメラ形状やラチスにより構成されるものなどがあります。
それらは、天井を見上げたときの印象とリズムに影響することがあり、空間のイメージと結び付けて選択することも1つの方法です。
球体の空間を支える構造、ジオデシックドーム
バックミンスター・フラーが提唱したジオデシックドームは、球面に測地線(ジオデシック)の線分を配置します。
これにより、球体に近い正多面体となります。
現存するものでは、フォード・モーターの創立50年記念のロトンダ・ドームがあります。
また、1967年モントリオール万博のアメリカ館が有名です。
日本では、なにわの海の時空間などで見ることができます。
札幌ドーム
2002年、日韓共同開催のサッカーワールドカップのために作られたサッカー場です。
プロ野球チームのホームグランドとしても使用されていました。
日本では、サッカー専用のスタジアムの構想は少なく、多目的利用とする計画が多くあります。
札幌ドームは、サッカー用の天然芝と、野球用の人工芝が用いられています。
また、イベント利用時には、コンクリート床での使用も想定されています。
天然芝は、日光を当てて育成する必要があります。
そのため、スポーツやイベントなど多様な使用環境に対し、適切な環境で天然芝の養生や育成する必要があります。
札幌ドームの特徴的なフォルムは、強度を確保するために、農作業で使用する箕(み)をイメージした構造としています。
そのフォルムは、鉄骨トラスによって支えられています。
骨組構造によるドームは、素材を巧みに組み合わせることで、多様な表現がとられるようになりました。
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