バフェットが手放した航空産業株の今後
おはようございます!こんばんわ!
本日のテーマは、航空産業株についてです。個別株に投資している方なら、バークシャーハサウェイが保有していたデルタ航空・サウスウエスト航空・アメリカン航空グループ・ユナイテッドエアラインズホールディングスの持ち株を全て手放したというニュースに驚いたのではないでしょうか。
〈バークシャーハサウェイの航空産業株動(2020 年)〉 3月 デルタ航空株が20%近く下落した時点で、97万6000株余りを約4530万ドル(約49億円、1株当たり平均46.40ドル)で取得。
この報道を受け、46ドルラインが底値と睨んで航空産業株の買い増しを行った方もいたのではないかと思います。私自身も、デルタ航空株125株を平均43ドルで購入しました。購入した1週間もしない内に、さらに50%下落した際にはかなり焦ったことを覚えています笑
4月 3月の強気の「買い」判断から一転、デルタ航空株を約1300万株、サウスウエスト航空株も約230万株の売却を開示。
この報道も当然のことながら、株式相場にて様々な憶測を呼びましたね。「バフェットも投資判断を誤ることもある」、「コロナを甘く見すぎたのでは」等のバフェットの投資判断に対する声から、「保有比率の問題上、やむ終えなく売却したのではないかと」といった都合上の問題だという声が挙がりました。その当時の私見では、後者の保有比率の問題上売却を行ったと考えていました。現に売却後も、両社の持ち分比率10%を割る形で保有継続していたからです。
5月 バフェットは2日、オンライン中継のバークシャーハサウェイの株主総会で「世界は変わってしまった」などと述べ、航空会社株(デルタ航空・サウスウエスト航空・アメリカン航空グループ・ユナイテッドエアラインズホールディングス)を全て売却したと明らかにした。また、航空産業株への投資について「当時は魅力的だったが、私の間違いだった」と語った。「3、4年後、人々が昨年と同じぐらい飛行機に乗るのかどうか分からない」とも明言した。
長期的な企業成長を見越して投資を行ってきたバフェットが、航空産業株への投資を失敗と位置づけ、今後の成長性が保証されていない旨の発言はかなりインパクトがあるのではないでしょうか。
では、、、バフェットの発言通り今後航空産業の発展は見込めないのか まずは、発展が見込めない可能性がある要因から考察してみます。
①働き方の行動変容 ②観光需要の落ち込み
単純かつ浅はかな要因ではありますが、航空産業にとってはこの2点の変化こそ業界再編に繋がると思われます。まずは、①の働き方の行動変容から。今回の自粛で、会議や出張等の遠出を要する業務もオンライン上のリモートで済むことが証明されました。(勿論、リモートで全て済ませることができるとは思っていませんが、、)このリモートでの業務は、コロナウイルスの影響で企業業績が悪化している企業において経費削減という名目で今後も継続される可能性が高いと思います。むしろ、コロナウイルス収束が長引きwith covid virusの生活が続くのであれば、リモートでの業務が主流になる可能性が高いのではないかと思います。そうなると、航空産業においては出張目的需要を今後取り込めなくなります。また、出張依然に企業のグローバリズムが今後今まで同様の規模で行われるのかも定かではありません。企業の内需回帰が進み、海外進出が滞ることで需要減の可能性もあります。
(株式会社アスマーク 飛行機に関するアンケート調査より N=300)
上記のグラフを見ると、飛行機の利用目的としてビジネスでの利用は一定数の需要に繋がっていることが分かります。やはり、このビジネス目的需要が戻ってこない可能性は航空産業において間違いなく懸念要素の一つだと考えています。続いて、②の観光需要の落ち込みについて。私見ではありますが、アジア圏(特に中国)と欧米諸国の間に隔たりが生じたような気がします。アメリカのトランプ大統領は次期選挙戦に向け、中国に損害賠償を求めることの可能性を示唆したり、中国との繋がりが深いと言われているWHOへの拠出金を停止したりと対中国への姿勢を強めています。2017年時の中国航空市場の旅客数は、4.88億人とアメリカに次ぐ規模を誇っています。その需要が国家間のいがみ合いで減るかもしれません。また、日本でも東京と地方間でもコロナ差別なんて声が上がるように、グローバル規模で考えるとコロナウイルス発症源とされる中国を避ける動きが出てくる可能性も否めません。そうなると、欧米諸国から容姿の見分けがつかないと言われている日本や韓国の観光客も避けられるなんてことも考えられます。このコロナによる差別が加速するようなことがあれば、海外旅行を安易に決断できないといった行きたくてもいけない状況が生まれるでしょう。
以上のことから、確かに素人目に考えても今までのような航空産業需要には不透明感が残ります。バフェットの株主総会での発言を振り返って見ても「航空産業に失望した訳ではない、売却した4社も今後存続するだろう」という発言があるように、目先の業績や株価変動への懸念というよりも将来的なバリューは考えづらいという理由での売却です。目先、デルタ航空は20~30ドル、アメリカン航空グループは10~15ドルのレンジを行ききしている状態で、2月時点から両社共50%減の価格で推移しています。今後は、「2月時点から50%減だから割安だろう」、「コロナ収束後はまた2月時点の株価に戻るだろう」という安易な考えからの長期投資は避けた方がいいのかもしれませんね。短期的な値動きに関しては、予想が立ちませんが、、笑
とここまでは、ネガティブな要素に目を当ててきましたが、航空会社によっては今後の需要回帰に楽観的な見解を示している会社もあるようです。↓
↑規制緩和が発表されたフランスの主要航空会社のエールフランス航空の機内は、現状すし詰め状態。コロナ反動の一過性需要かは分かりませんが、需要の落ち込みはあまり感じられません、、、笑 なので、今後航空産業株への投資を考えるのであれば、底値や割安感という意識で突っ込み買いを行うのではなく、各国の規制緩和終了後の旅客数やチケットの価格帯を確認してから購入の是非を決めるのが懸命だと私自身は考えています。
以上、宜しくお願いします。