保護した3匹のニホンイシガメを飼い始めるまで(2/3)
保護した生まれたての3匹のニホンイシガメを連れ帰った。亀の飼育方法をネットで調べ、適当なプラケースに亀たちを入れてやった。元気な2匹は動き回っているが残りの1匹は目を閉じてぐったりとしたままだ。
目を閉じたまま動かない子亀をどうするか
鼻先にエサを置いてみても反応はなし。浅い水に入れてみたがこれも変化はなかった。ただ呼吸はしているようだし、時おり手足もわずかに動く。
いろいろと検索してみると「テトラ レプチゾル」という爬虫類や両生類用のビタミン剤が弱った亀に効果的だったというブログ記事を見つけた。Amazonなどでも買えるようだがこの日はもう夜遅く、注文しても届くのは明後日以降になるだろう。明日、近所のペットショップなどへ行ってみることにした。
テトラ レプチゾルを求めて
翌日は平日だったが私は自営業であり比較的時間が自由に使えるため、午前中から近所のホームセンターのペット用品売り場、熱帯魚店など数件回ってみたがテトラ レプチゾルの取り扱いはなし。そこで爬虫類が充実しているペットショップが車で30分ほどのショッピングモールの中にあることを思い出し向かうことにした。その店は2025年現在はもう閉店してしまっているが、爬虫類以外にも両生類、魚類、鳥類、哺乳類など本当にたくさんの種類の生き物を扱っていて、これまでに何度か店内を楽しく見たことがあった。
到着し店内を探すとテトラ レプチゾルが販売されていた。たしか1500円ほどだったと記憶している。早速購入し帰宅した。
根気よく使ってみる
1日目
50mlの水にテトラ レプチゾルを3滴ほど混ぜ、目の開いていない子亀を3時間ほど薬浴させてみた。参考にしたブログ記事には1週間ほどこの方法を続けたとあったので、それに倣い根気よく続けることにした。
1日目で目に見えた効果は特になし。他の2匹は相変わらず元気で、エサも食べている。
2日目
この日からは3匹とも日光浴をさせることにした。亀をはじめ爬虫類にとって日光浴はとても重要だとのこと。プラケースを日のあたる午前中だけ窓際に置き、暑すぎる場合は隠れられる日陰も作ってやった。動かない子亀はその後、引き続きテトラ レプチゾルによる薬浴を行う。
3日目
目は閉じたままだが手足、尻尾、首をよく動かすようになったので少し安堵する。日光浴と薬浴の効果が出ていると見て良さそうだ。
4日目
日光浴と薬浴を継続。注文しておいたバスキングライトと紫外線ライトがAmazonから届く。日光が当たらない時間帯もこれらを当ててやればより効果があるのではないか。早速セッティングしてみたところ元気な2匹はちゃんとバスキングを始めたので驚いた。目の開いていない子亀は昨日よりも手足や首をさらに動かすようになったが、まだ歩いたりはしないのでつまんでライトのあたる場所へ置いてやった。
亀はエビが大好きとのことなので、夕方にホームセンターのペット用品売り場で亀用の乾燥エビを購入してきた。元気な2匹はむしゃむしゃと食べはじめた。目の開いていない子亀の鼻先に置くとエビの匂いに反応して首を動かすが、食べ物と認識できないのか食べようとはしない。
亀用のエサと乾燥エビで特製団子
5日目
目は開いていないが、手足を動かしてのろのろと歩くようになった。引き続き薬浴は行う。
なんとかエサを食べて栄養を摂ることができれば目が開くのではと思い、ある案を実行してみることにした。亀用のエサと乾燥エビをすり潰し粉状になったものを混ぜ合わせ、水を少し加えて数ミリに丸めたのち乾燥させる。栄養価の高い亀用のエサをエビの匂いでつって食べさせようというわけだ。
この「エビ入り特製団子」のアイデアは大成功で、鼻先に置いたところ見事にパクリと食べたのだ。なんとかこれで元気になって欲しい。
ついに目が開いた
6日目
朝、起床して亀のケースを覗いてみるとなんと片目が開いていた。やはり昨日の特製団子がよかったのか。日光浴の後、薬浴をさせていると閉じていたもう片方の目から薄皮のようなものが取れてこちらも開いたではないか。
それからは通常のエサも食べるようになり、ケースの中をあちこち動き回り自らライトの光でバスキングもするようになった。もうひと安心だろう。
テトラ レプチゾルの効果は確かだったようだ。
さて、問題はこの子亀たちを飼い続けるか、どこかの池か川へ放してやるかだ。
(3/3へ続く)