29.術後の再診
2021.6.2
5月21日の手術から10日以上が経過した。
傷を覆う防水テープは意味をなしているのかいないのかわからないほど、申し訳ない程度に私の傷をふわっと隠している。
「塞いでいる」のではなく、「隠している」という表現が正しい。
剥がれかけているテープを、自ら剥がし、傷口と対峙する覚悟がないのだ...。
再生テープも少しでも長く付けていた方が傷の治りが早かったり、跡が残らないんじゃないかとか、ビビりの私はそんなことを考えながら、防水テープを中心に過ごした10日間であった(笑)
防水テープを濡らさないように、シャワーを浴びる方法も習得した。
防水テープ周辺は、濡らしたタオルで拭うようにした。
防水テープの意味がない生活(笑)
今日の病院への足取りは軽かった。
この防水テープが剥がされる喜びと、やりたい事の許可を取ろうと思っていた。
入院前の病院への足取りの重さとは比較にならない。
次に行ったら、何を宣告されるのか不安で不安でたまらない数ヶ月を過ごしてきた。
主治医の先生に会う度に泣きそうになっていた事を思い出した。
先生はとてもドライで淡々としていた。
もちろん、笑顔で話せるような話は今までなかったからかもしれない。
私にガンを宣告し、
手術方法を決め、
治療の方向性を伝えてきた。
外来以外は手術の当日、自ら点滴の針を刺しにやってきて、手術直前と手術直後に会ったきりだ。
退院日も会えなかったので、お礼もまともに言えなかった。
だから、先生に会えるのが嬉しかった。
待合室で待っていると、呼ばれた事に気付かない患者さんを先生が扉からひょっこり顔を出し、自ら診察室へ呼び寄せた。
「あ、先生だ❤︎」
あたかも恋心を寄せるかのように(笑)
まもなく、私の番号が呼ばれた。
先生は相変わらず、ドライだったが、メスを入れる方向が当初聞いていた所ではなく、脇に縦一直線だったので、「脇を切ってくださったんですね、おかげであまり傷が目立たずにすみました。」と言うと、
「マジックで3本線が残っていましたよね?」とちょっと照れ笑いのような笑顔を見せた。
ドライな先生の照れ笑い...か、かわいい❤︎
私は胸に印のようなものが残っていたのは確認したが、果たして3本もあったのだろうか...。
目立たないと理由で脇になったのではなく、候補は当初の予定も含めて3箇所あったらしい。
センチネルリンパ節から細胞を採るために、ガンの切除の他脇も切らなくてはいけないので、センチネルリンパ節の位置とガンの位置を考慮して、脇に一直線で行くことになったようだ。
傷口は10センチほどあるが、脇も含めて1箇所だけのメスとなった。
私が意識のない時間に行われていた事が気になる...もっといろいろ聞きたかったが、先生もお忙しいので、程々にした。
胸の大きさも思ったほど変わっていなかったが、まだ胸が腫れているので、もう少し小さくなるらしい。。
腫れが治ったらどのぐらいになるんだろう...。
少し不安になった。
お風呂の許可も出たので、ついでにジムに行って体を動かしたり、サウナに入ってもいいか確認したら、問題ないとのこと。
「ウェイトはやめてくださいね。」
と釘はさされた(笑)
私も痛みはないが違和感は残っているので、流石にまだ胸のトレーニングをする気はない。
少しずつ、少しずつ。。。
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