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32.素人から医師への素朴な疑問

先週末から、胸の張りが気になったので、先生に相談したら、「水溜まってる感じあります?」と言われたので、「そういう感じでは...」と答えた。

怖くて、がんが発覚してから、右胸に触れないように自然にしていた。
術後も、脇の傷や張りが怖いのと、まだ感覚が鈍いので、あまり触れないように自然となっていた。

だから、先生の疑問に正確な答えが返せず、ふわっとした返答をもにょもにょした。

ベッドに横たわり、術後の経過を診てもらい、先生が張っている部分を押すと、ちゃぷちゃぷ音がして、水が溜まっている感覚が私の体内に広がった。。

「えっ?」と思い、自分で触れてみたら、同じくちゃぷちゃぷした...。
立った状態で恐る恐るちょんとだけ触ると張っている感が強いので、水が溜まっている感覚という感じではなかった。

先生が、「少しお水抜いたら、楽になるかもしれないので、抜きましょうね。」と。

自然に体に吸収されるらしいが、私はドレーン(管)を入れていないので、溜まった水分が体内に排出されずパンパンになっているのだ。

パンパンは苦しいけど、このお水で今は左右のバランスが保たれているので、少し惜しい気もした。。

でも、そうも言ってられない、いずれはなくなるのだ。
なかなか往生際が悪い(笑)

先生と看護師さんが水を抜くための注射とエコーを準備し始めた。

なんかこの感覚、針生検の時の感覚と似ている...。


「ちょっと痛いかも?」と先生に言われたが、針が入った感覚がなかった。
やっぱりまだ感覚が鈍い。

溜まった水を抜かれながら、先生に私が意識を失っていた間に行われていた爆弾処理に関する素朴な疑問をぶつけてみた。

「切った乳腺同士はどうやって繋げるんですか?」

すると、先生は、

「繋げる?」

と私が勝手に想像していた反応とまるで違う、質問返しできたのでビックリした。

「乳管の中にがんが出来るんですよね??そこをバツッと切ったら、乳管切れっぱなしですよね?」

そもそも素人の私は乳腺と乳管の違いが明確にわかっていない。

「・・・」

噛み砕いて説明したつもりだったが、先生はさらに首を傾げた。

自分が罹患しながら、何がどうなってこうなったのか明確にわからないまま、全てを知り尽くしている医師に質問を投げかけるとこうも噛み合わないものなのか...(笑)

ド素人の私は切断した乳腺をレーザーが何かで接合するのだと勝手に思っており、それが腫れるのだと想像していた。

真実はまるで違うらしい。

「切除した所は切りっぱなしで繋げないんです、残った乳腺を寄せるんです。」

と、先生。


「切りっぱなし?」

「えっ、寄せるの?寄せるだけ??」



口に出したか、心の中の声だか忘れてしまったが、まさかの回答に驚いた。

「はい、ココ空きましたよ、今日からあなたはココですよ。」と急に寄せられて、私の残った乳腺は大人しく新しい居住地に馴染めるのか?

予想外の回答に、スッキリどころか、ますますわからなくなった。。

見えてる世界と見えない世界は実に噛み合わない(笑)

それにしても人体ってホントすごいわ、切りっぱなしのものが体内にあっても大丈夫なんだ...。

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