シェア
毬衣
2021年1月6日 16:33
パソコン越しに、コーヒーの湯気が立っている。ここはカフェだ。 大声で子供が泣いている。目線の先にはもう一人の子供がいる。母はあやしている。静かだ。声は聞こえない。子供は振り返って、母を見つめる。そして叫ぶ。うらやましい。私もあれぐらい泣けたなら楽だな、などと思う。子供みたいに泣き叫ばなくていいくらいには、言葉を知ってしまった。 見つめられていた子供は、椅子の上に立っている。その母は、手を