倫理政経ポイント解説(政経⑥)

こんにちは。今回は物価の動きと財政の仕組みやります。


インフレとデフレ

●インフレーション・・・物価が持続的に上昇すること
影響→預貯金を目減りさせる(物価は上昇するが預金の利息は変化しない)
   債務の負担が軽くなる
   賃金が増えなければ生活水準が低下する
二種のインフレ
①ディマンド・プル・インフレ
需要が供給を上回ることで生じる
②コスト・プッシュ・インフレ
供給側の生産コストの上昇で生じる

景気の停滞とインフレが同時進行することをスタグフレーションという

●デフレーション・・・物価が持続的に下落すること
影響→企業の利潤の減少や債務の負担が重くなる
 

デフレと景気の悪化が悪循環に陥ることをデフレスパイラルという


貨幣と通貨制度

●貨幣の役割
・交換手段
・支払手段
・価値尺度
・価値貯蔵手段

●通貨の種類
・現金通貨
日本銀行の発行する紙幣(日本銀行券)と政府の発行する硬貨

・預金通貨
→普通預金と当座預金があり、要求払預金(流動性預金)といわれる

・定期預金
→預けてから一定期間引き出しや利用不可(準通貨)

※個人、一般法人、地方公共団体などの保有する通貨量の残高をマネーストックという

●通貨制度
・金本位制度
国が金と交換できる兌換紙幣を発行
→不況期に安易に通貨量を増やすことができない

・管理通貨制度
金と交換できない不換紙幣を発行

金融の仕組み

直接金融 株式+内部留保━┏内部金融
             ┗自己資本
     社債━━━━━━┏外部金融
             ┗━━━━┓
                  ┣他人資本 
間接金融 銀行からの借り入れ━━━━┛


上の図です。

銀行の役割と政策

●銀行の役割
①預金業務
②貸出業務
③為替業務(小切手の支払いや振り込みの送金など)

※ノンバンクは預金業務を行わない

信用創造については後日やります。

●中央銀行

日本の中央銀行は日本銀行
日本銀行の機能
①唯一の発券銀行
②銀行の銀行
③政府の銀行

●銀行による金融政策

後日やります。

金融政策

護送船団方式とは・・・国が企業に対する行政指導などをしてある程度経済活動をコントロールして国内産業を保護する方式(昔の日本で行われた)
→自由競争を制限してしまい、国際競争に弱いというデメリットがあった。

国際競争が激化したことで日本は護送船団方式をやめて金融に対する規制を緩めはじめた。

●金融の自由化・国際化

①預金金利や外国為替取引の自由化

②銀行・証券業・保険業の相互参入を一部認めた

③独占禁止法の改正(1997年)

特に1990年代後半の金融改革を日本版金融ビックバンとよぶ

1998年金融監督庁の設置(2000年に金融庁に改組)

●預金保険制度
→金融機関が破綻して預金者に払い戻しができなくなった場合預金保険機構(1971年設立)が預金者一人につき元本1000万円とその利息を限度として払い戻しをする。(これをペイオフという)ペイオフは1996年にバブル経済の影響で一時凍結されたが2002年から定期預金に、2005年から普通預金に適用され、2010年にはじめて発動された

財政と予算

●財政→政府の行う経済活動

財政の機能
①資源分配の機能
公共財などを政府が分配する
②所得再分配の機能
累進課税制度や社会保障制度
③景気調整の機能
累進課税制度や社会保障制度による景気の自動安定装置(ビルトイン・スタビライザー)
政府による裁量的財政政策(フィスカル・ポリシー)

※財政政策と金融政策は一体である(ポリシー・ミックス)

●予算

・一般会計予算

社会保障・公共事業・教育・防衛などの一般行政にかかわる予算

・特別会計予算

目的別の特定の資金を運用するための予算

・政府会計機関予算

特別な法律によって設立され、政府が全額出資する法人に関する予算

・本予算

会計年度(4月1日から翌年3月31日)の当初から実施される予算

・補正予算や暫定予算もある(たぶんでない)

・決算

年度における歳入と歳出の実績を示す会計検査院

●財政投融資

予算とは別の経済政策として財政投融資計画がある
財投債(国債の一種)によって特殊法人(公共性の高い法人)などに融資するものである。「第二の予算」ともよばれる

租税と債務

●租税

租税は納税者と税負担者の同一な直接税と両者の異なる間接税、納付先によって国税と地方税に分けられる。

租税の基本原則
①垂直的公平
②水平的公平
③中立
④簡素

直接税(国税)
例)所得税、法人税、相続税
間接税(国税)
例)消費税、酒税、たばこ税、関税

直接税(地方税)
例)道府県民税、市町村税、事業税、固定資産税、(軽)自動車税
間接税(地方税)
例)道府県(市町村)たばこ税、軽油取引税、入湯税

租税の直接税と間接税の割合を直間比率という

シャウプ勧告とは・・・直接税を重視して直間比率を直接税中心にすること

消費税
1989年3%で導入、1997年3%から5%へ引き上げ
2014年5%から8%へ引き上げ、2019年8%から10%へ引き上げ

※消費税には逆進性(垂直的公平の逆)の問題もある

※所得税の不公平
→給与所得者10(9)割・自営業者5(4)割・農業者3(4)割

●債務

公債とは・・・国や地方の借金

公債の種類
復興債
建設公債(建設国債)
特例公債(赤字国債)など

特例公債

財政法で禁止されておりそのつど特例法の制定が必要
1990年〜1993年を除いて1975年から毎年発行されている

財政の課題

●公債の発行の問題

①他の予算の圧迫と財政の硬直化による資源配分機能の低下

②世代間の不公平の拡大

③景気の上昇を妨げる

●基礎的財政収支(プライマリーバランス)とは

(税収ー歳出)のことであり、黒字を目標としている。


今回は以上です。閲覧ありがとうございました。次回は日本経済の現状と問題についてやります。スキしてくれると励みになります。参考になれば幸いです。

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