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闇夜にうごめくスプリットショットのメバル釣り

 近頃メバル釣りに凝っている。

 なにしろ、

  1. 割とどこにでもいて、よく釣れる

  2. よって釣り場までの移動に時間がかからない

  3. 仕掛けにお金がかからない

  4. 渓流魚(特にイワナ)より引きが強い

  5. 適当に釣れるかと思えば割に繊細なときもある

などなどお手軽な上にけっこう面白いのだ。食べても美味しい。

 それでジグヘッドにワームを付けたシンプルな仕掛けでやっていたのだけど、いくつか気に入らない点が出てきた
 
 まず、重さを変更するのが面倒である。1 gのジグヘッドを投げていて、深場を狙いたくなったり飛距離が欲しくなったりして、2 gに変更しようとする。スナップから1 gを外し、2 gのジグヘッドにワームを刺して、再度スナップにとりつける。こうやって書くとそこまで手間でもないようだが、メバルが釣れるのはたいてい夜だし、寒い季節に手が濡れてたりなんかすると意外にこの作業が煩わしい。小さいジグヘッドにこれまた小さいワームをズレなく綺麗に刺すのは特に難儀である。ソレデハと予めジグヘッドを刺した状態でストックしておいた。悪くなかったのだが、根がかりで切ってしまえば結局は現場で刺す羽目になる。ケースのスペースも圧迫するし、あんまりスマートじゃない。

 またジグヘッドの重さを増やせば、明らかに食いが悪くなる。よく行く釣り場では20 cm以上のメバルが多く、これくらいのサイズになってくるとメバルと言えどかなり引く。藻も大変濃いので、PE 0.6号 + リーダー8 lbを基準にしている。食いを考えると1 g、あるいはそれ以下の重さを使いたいのだが、このセッティングだとキャストしづらいし操作性も滅茶苦茶悪い。せめて 2 g以上の重さは欲しい。だが食わないのだ。糸は太く、ジグヘッドは重くしたいが、そうすれば食いが悪くなる。

 そこで、これらのデメリットを解消できそうな仕掛けを見つけた。それがタイトルにもあるスプリットショットの仕掛けである。といってもこちらで紹介されていた素晴らしい仕掛けを参考にさせて頂いて、多少のアレンジを加えている。


私の場合は多少糸を太めにしている。藻から引きはがすためである。

針の刺し方はいわゆる「ストレートフック刺し」にする。藻が濃い場合を除き基本的に針先は少し出しておく。こうしておけばフッキングもけっこう簡単に決まる。多少の慣れが必要なので、あらかじめ刺したものを準備しておくと現場で便利かと思う。スナップは無くてもいいが、あった方がワームの交換が楽。

 注意点として、リンク先の補足ページでは「ガン玉に2-3回糸を巻きつけた方が良い」と書かれているが、メバル狙いでは辞めておいた方がいい。ドラグを弱くしているアジングの時はこれでいいと思うけど、メバルの場合は巻きつけない方が絶対にいい。藻から引きはがすためドラグを強くしているから、ヒットすれば確実にガン玉が吹っ飛んでいく。環境にもお財布にも良くないのでここは多少のアレンジが必要である。

 さて、この仕掛けの良い点はまず、重さ調整が非常に楽、ということである。ガン玉で糸を挟むだけ、取り外しもワンタッチ。特にヤマワのゴム張りガン玉が非常に便利で、素手で簡単に取り外しができる大変なスグレモノである。普通のガン玉より格段に高いが、付けたらズレないし糸も傷めないしで非常に快適なのだ。お金をかけたくないなら手間をかけてゴム張部分を自作するのもアリかもしれない。ガン玉は通常1個で十分だが、しっかり沈めたいとか飛距離が必要な場合は必要に応じて連結して使える。汎用性は高い。

 加えて、食いが良くなるような気がする。理屈はこうだ。

ワームを引いてきているときは潮・流れによって、オモリとワームの間に多少のたるみが生じている。そのため、写真のようにオモリを感じるまで多少の猶予が生まれるのだ。これがメバルに違和感を与えにくく、食いが良くなっている理由だと考えられる。ジグヘッドの場合は針とオモリが一体化しており、食った瞬間に重さを感じてしまうのだろう。

 あとは針の重さ以外からワームが完全にフリーになるので、潮や流れに乗って勝手にフラフラと漂うのが誘いになっているのかもしれない。これも想像ではある。

 実際、吸い込むタイプの捕食を行うメバルにこの仕掛けはなかなか適しているようだ。藻に入られないように強めのドラグにしているから、面白いくらいロッドが曲がる。なかなかスリリングだ。

こんな感じで
よく釣れるのだ。

 コスト的にはジグヘッドと変わらないか多少安いくらいで済む。よく使うのは3Bと5Bだが、定価ベースで1個50円、これにマス針を合わせても総額70円くらい。市販の安いジグヘッドと同じくらいだ。だが、根がかりしたときを考えれば、ジグヘッドよりも多少損失が小さくなる。スナップの根元で切れるようにしておけば、ロストしても針とワーム、スナップを失うだけで済み、一番コストの高いガン玉は戻ってくる。環境にもやさしい。

 このごろ雨が多いし、しばらくはこちらの世界を楽しませてもらうことにする。ありがとうメバル。美味しいよメバル。



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