
桜のような絵を描く人~画家ひらのにこ~
画家のひらのにこさんが画集を出されると聞いたのはつい最近。
とても喜ばしい事だと思う。
新緑が美しい清涼なこの季節。
ひらのにこさんの作品を始めてみたのは2014年、銀座のギャラリーで展示をご一緒したのが最初だったと思う。
とても儚い表情の少女が淡い色彩で描かれている。
「桜のような絵を描く人だな」と思ったのが第一印象だった。
桜は、華々しく散るイメージで潔く美しいと思われるがその下の幹に視線を落とすと儚いイメージとは逆に強く太い幹に苦悩の影など見える人間らしい姿をしている。
作家ご本人の見た目も儚い印象を持ったが、話を聞いてみると驚く程に負けず嫌いでロックな人だった。なので桜のイメージがもっと強くなったのかもしれない。
「綺麗な絵」とは言うモノのそこに至るまでどれほどの努力をされたかを作品から読み取れる。淡い色彩で表現された画面は色の構成と光の当たり具合、色同士の混色具合で大分変ってしまうように思う。ひらのさんの描かれる少女で特徴的なのは「澄んだ強い瞳である」
絵で描かれる「目」というのは、どんなにモデルにそって描いたとしてもどうしても作者が宿る事が多い。「目は口ほどにものを言う」というのはあながち間違えではない。
淡い色彩に宿る意志の強い花々が咲き誇る、ひらのにこさんの作品はやはり桜のような作品だと思う。
作家ご本人もnoteで自身の言葉で語られています。
5月には作品集刊行を記念した展示会があるそうです。
藝術新聞社より創刊「ひらのにこ作品集 White Light」
最後に
「ひらのにこ様、
初作品集刊行おめでとうございます。
とても美しく淡い世界にいつも魅了されています。
お身体を大切に、これからも素晴らしい作品を生み出してください。
2021年5月8日 卯月 螢 」
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