見出し画像

憧れを形にする

極彩色は憧れ

ペン画で制作していましたが、最近は水彩も使うようになりました。使いたいと意識するようになったのはつい最近、描く作品のテーマによりますが少しずつやってみようと思っています。

画像1

色を使って絵を描く・・極彩色は憧れでもあります。眼精疲労を少し持っているので目が疲れやすく色に過敏。今はそうではありませんが、若い頃は晴れた日には必ずサングラスをかけて外を歩いていたので見るモノすべてがサングラス越しの色合いでした。油絵を描いていた時も余り思うように色彩を使えなかった事があります。色というのは心理的なモノが影響するので、今思うと当時の私では無理だったのでは・・思えますね。

テーマを意識して

今回、水彩を使おうと思った「fallen tree #2」(倒木)切り倒されたり、寿命で倒れてしまった木ですがそのフォルムは個性的です。樹というのは枝だけでも一つとして同じものがなく心惹かれます。そのなかで「倒木」に惹かれたのは挫折の多い人生とその中で出会った方々の影響だと思います。好きだった画材店をストレスによる体調不良で辞めざるおえなくなり、絵もかけなくなり全てがどうでも良いと思った日々が有りました。

画像2

そんな中で社会復帰して着いたのがホームヘルパ。認知症の方々と過ごす日々の中利用者様の話を聞く機会が多くその人生や後悔・・楽しかったこと、その方の人生を聞かせていただきました。楽しかった過去があり、辛かった経験があり、諦めた夢が有り、後悔に涙する今が有り・・その今までの経験と思い出がその人を形つくる。今思うと、亡くなった母もそんな人だったのでまた制作活動を再開した今は内面の美しさを描くのに樹や花やキャンドル、不変では無いものを描くかもしれません。長い寿命を終えた倒木に敬意と弔い懺悔を思い浮かべ、教会のステンドグラスが思い浮かびました。そこで思いついたのが水彩による着色です。

水彩絵具の理

独学なので私視点ですが「透明と半透明」「水彩絵の具は三色」「塗り重ねる順番を考える」「自然界に黒はない」この5点を肝に命じています。絵の具にはそれぞれ性質があります。頭に描きたいものを直ぐ描きたい気持ちもありますが、水彩は計画性が大事な気がします。塗り直しが出来る絵の具もありますが水彩画はそうはいきません。紙も選ばなくてはいけないし、水彩だからと言っても水を使いすぎれば、塗りすぎれば紙が脆くなってしまい破けてしまう寸前まで繊維が壊れてしまいます。

絵の保存と描きたい衝動。

しかしモノには限度・・限界がある。

その見極めが難しい所です。

透明と半透明

絵の具は定着剤と顔料が混ざって出来ています。水彩はアラビアゴム、透明な樹脂に固形の顔料が浮いていると思うと簡単だと思います。絵の具の濃度は顔料の粒子の大きさに比例するように思いますが、透明水彩には「透明」「半不透明」があるので注意が必要です。

例えるなら、水に同じ量の砂と石を入れるとする。

砂は粒子が細かく水の部分が多く、石は粒子が大きく水の部分が少なく見える・・そんな感じです。

チューブに「透明」「半透明」と記載があるので買う時に確認してみてください。

画像3

水彩絵の具は三色

三色しか使ってはいけない!というわけではなく、「混ぜるなら三色以上混ぜない」ということです。経験ですが、色彩が鈍くなるうえにすごい色になったりします。水彩をよく見ると色んな色が重なって綺麗に見えますがそれは絵の具を塗って乾かして、或いは半乾きの時に塗り重ねたりしていると思います。

だって、インスタントコーヒーにココアをいれて砂糖を入れて飲むと胸焼けして味が分からなくなりますよね。顔料の粒子、光彩の関係などありますが感覚的にはこんな感じです。

塗り重ねる順番を考える

ステンドグラスのような着色。透明なガラスですので周りの色に影響されています。腫れている日は太陽の光、近くに木が茂っていればその葉の色がうつりこむ・・そうするには混ぜるのではなく色を重ねるようにしようと考えました。

塗り重ねる順番は彩度・暖色・寒色が重要です。

彩度はその色の明暗

暖色は赤や黄色や橙・・温かく思える色

寒色は青や緑など涼しく感じる色と思うと簡単だと思います。

順番は経験と絵のイメージが重要になってくる部分だと思います。

よい例えが思いつかないのですが「コーディネート」が近いかもしれません。服や柄を盛りすぎると煩くなるし、香水もふりすぎたら臭いだけだし、口紅もフェミニンな感じの服なのに真っ赤だと口紅しか目がいかない・・

その場に合った、自分に合った、何かを表現するにあたってバランスをとる事に近いような気がします。

画像4

自然界には黒はない

・・見たことが無いです。サングラス生活をおくっていた私が言うな・・とも思いますが・・

似顔絵を描くときに髪の毛の色を黒で描いてきた人の絵を画材店店員時代に見た事があります。表情が良く描けているのに「黒」だけ浮いて見えました。影の表現も「黒色」や「灰色」を使っている作品を目にした事がありますが違和感があります。

「影」というのは周りの色が影響して出来る混合色だと思います。

写真で見ると確かに黒に見える部分はありますが、印画紙に転写する際に使われるインクの影響だと思います。簡潔に表現されたために作られた色のように思います。

画像5

散歩をしていても黒いものは、外壁や車の塗装しか見たことはありません。

ペン画を使って背景を黒でべた塗りをしていますが、それは意識的に絵を浮き立たせたいために使っています。

生まれながらに悪い人がいないように、「黒」というのは周りに影響されてできた色と認識しています。

「黒」を使う時には使う意味を意識して使っています。


ギャラリーや美術館に気軽に行けない昨今、SNS上で作品を見るたびにこの原画は一体どう色をしているのか気になります。不思議なもので、人の手で描かれた作品は飾られた場所のよって、自分の気持ちによって見え方が変わるものです。また気軽にギャラリー巡りができる日々が返ってくることを願ってやみません。

現在web展示に参加しています。

新しい試みかと思いますね。

時代は変わりますから表現の仕方も変わってゆくものかもしれません。

しかし、いくらデジタル化が進んでも作り出すのは発進するのはその表現者ごとに違うと思います。まずは自分の表現したいテーマをしっかり意識して制作していきたいです。

何かを表現したいという衝動は、誰かに指示されるわけではなく自分の中から沸き立つものです。それを表すのに「絵を描く」事を選んだのは自分です。衝動は一瞬で過ぎ去るかもしれませんが表現したいと認識したのであれば、今できる事を全て・・思い描いたビジョンを紙に再現できるように努力したいと思います。

web展示 gallery hydrangea企画

「花に囁く物語Ep.2」第二部



いいなと思ったら応援しよう!

卯月螢 /心の風景を描く「心象画」
宜しければサポートお願いします。いただいたサポートは画材購入や展示準備など制作活動に使わしていただきます!