その生き方に
「fall~Cherry Blossoms」2020年
333×190㎜ インク・紅茶・アクリル・ケント紙
(C)卯月 螢
桜です。
家から見える桜がモデルです。
桜は潔くて、好きな花です。
満開よりも、風に舞い上がり散る様は壮麗…
そんな清く生きれたら
と若い頃は思ってました。
でも、数十年生きていると足掻きたくもなる‥せっかくここまで生きてきたのに勿体ない。
昨年は個人的に大変で(現在も継続中)
考えをまとめる為に、散歩を日課に決めていました。
ただ歩いて、広場の往復と木を見るだけ。
真冬だったんで誰もいないし、好きに泣けるので
冬の空は澄んでいて高い
少しずつ上を見れるようになって目についたのが
枯れかけの八重桜でした。
見事に半分をシロアリに侵食されていて
もう半分でなんとか立っている感じる
これは、春まで持つのかと‥気になったのがきっかけで毎日見るようになりました。
侵食具合は樹皮が剥がれて所々に穴があいていて
これはもう‥
とも思う姿なのですが
昔の雄々しい姿も思い出しまして
なんか描きたくなったんです。
桜は清いだけではなく
その潔さが胸を突くのは
長い年月を生き抜いてきた厚みからくる
ものではないかと感じ入った
見た目の美しさだけではなく、生きようという足掻きに縁取られたもの
迎えた今年の春は見事に満開
侵食された幹の半身はかわらず傷だらけですけれど
潔く散る人生より
足掻くこの八重桜のように生きてみたいと思えた作品です。
会期は終了致しましたが、『花とひと3』に出品していました。作品情報は5月6日(18時まで)迄ご掲載してくださるそうです。
アートコンプレックスセンター『花とひと3』
http://www.gallerycomplex.com/c/flowers3/index.html
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