Portfolio No.18 「花が咲くまで」
現在、開催中の哲学者の薔薇園企画「空に溶ける闇に浮かぶ」
出展作品「花が咲くまで」
顔を葉で覆われ座りつくす・・そんな人であった何か・・
自分を形成するのは自分以外の人の反応だったり言葉だったりすると思うのです。何かを思い語り、相手が反応してくれて自分の良かったところ悪かったところを理解し自己を形づくる。
「自己を表現する」というのはそう言う事だと認識しています。
しかし花の様に咲き乱れた言葉も受け取るものがいなければ、散って枯れて腐るだけ・・その心の傷は、精神を石化しひびが入り崩れてゆく、それが絶望感であると思う事があります。
最近、不意に思いついた事
【感情の質感】
小説や詩集では、その時に感じた事を言葉で呪文のように描き表してゆくのですが、使う言葉で質感が違ってくると思うのです。
烈火のごとく怒る
水の様に静かな心
宝石のように素晴らしい日々・・など
自分の感情に質感を探ってみると「渇いている・ヒビが入る」鋭利な少しカサカサしているような感じに思う事があります。
それは私が良く描く倒木に似て、
嗚呼、だから今描けるのかと痛感しながら描きました。
木々の多い所で育ったから・・学生の頃に思い描いた木と人の絵のイメージ、しかしそれが十分な形で出来上がる事は無かった。
今、倒木という形で表現できるのは何か意味があるのかもしれません。
誰が為に
咲き乱れた言葉たち
愛でられ、その心に届けばと紡いだ言の葉は
終ぞ届かなかった事と知る
その今に
色鮮やかな花弁は腐り果て形をなくし
土に堕ちて
今、座すことしかできないこの身にも
何時しか花開く事を
夢に見て
花開くまで
「花開くまで」インク・ケント紙
作品サイズ:352×247㎜
額サイズ:424×348㎜
*画像の無断転載禁止
「空に溶ける闇に浮かぶ」明日最終日12:00~17:00まで
*ご来場に際はマスク着用にて宜しくお願いいたします。
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