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制作日記:詩画集「鴉の夢路」再編集と最近の事

最近の悩みと制作

愚痴かも知れない。

今年は暖かくなるのが早いのか、不調も早い。
梅雨の気圧と湿度も苦手だが、春先は背中が痛い。
自律神経が集中している背中のほぼ真ん中・・どんなことをしても鈍痛で猫背になってしまう。
最近は痛くて寝れないので、不眠状態で一日過ごすこともある。
春先の不調は寒暖差で身体が24時間緊張しているので疲労が自律神経にたまる。ストレス探知機でストレス製造機なところがあるので大変だ。
それを制作に活かしても、不調は不調。
少しでも予防する為に食事や脳を休ませる為に気を付けている。
〈季節の不調の予防は、季節の野菜を採ると良い〉と薬膳の本で読んだことがあるので、最近は菜の花をが店頭の出だしたので採るようにしている。

最近は、昨年に受講した色彩心理の備忘録を掲載している。
それから、油絵を描いている。
6月の展示参加の為にペン画も久々に描いている。
詩画集の編集と次回展示参加の為の詩画集も考えている。

昨年までは〈やりたい事があっても、一つの事に集中しなくてはならない〉と、一つだけを選んでほかの選択肢は無かったことにしていた。
そんなことを話した時に
「思いつくなら、表現できるならやったほうがいい」と友人に背中を押してもらった。
やる前にまず〈考えすぎて行動しない事が多かった〉ので、
まずは〈行動することから始めたい〉
「後悔」をしないように、いろいろ前に進んでやっていきたい。
・・のに、春先の不調が早い今年・・
〈無理しないように、後悔しないように、中途半端にならないように〉
今年は思う事が多すぎる。
息切れしないように注意したい。

https://note.com/turehotalu/n/nefc71da2ed51

制作が多岐にわたるので、一度整理するため記載。

再編集を思い立つ

詩画集「鴉の夢路」は展示〈幻想の扉〉の作品の為に作ったもの。
会期終了後には完結したつもりでした。
構成としては、一羽の鴉が傍観者となり作品の世界を見て綴る。
一作品、一話完結。
展示の為だけにつくったものでした。

報を聞いたのは、11月。
バンドのSNSで亡くなった事を知りました。
あまりの突然のことで受け入れられない日々。。
そのアーティストは私の制作に影響を与えてくれた人でした。
「自分の心の内を表現する」
きっかけを与えてくれた方でした。
曲も聴けず、映像も見れず。
画像を見るのも辛くなり、その人の存在自体見ないような日々。

「ああ、これではいけないな」
これでは制作自体できなくなるな。
それよりなにより「〈曲〉が聴けないのは寂しいな」そんな思いに駆られ
何か形にしたいと詩画集の制作を思いつきました。
去年、父の他界後に制作の手が止まり過去作品を振り返り、お陰で制作を続けられ新たな価値観も生まれました。

悲しんでばかりはいけないな。

そんな決心でいたものの、いざ作品を見ると影響を受けた曲が思い出されて悲しくなってしまう日々。
どうしようか思案している時に「鴉の夢路」が目に入りました。
〈鴉〉、鴉というのが重要で、学生時代にはじめてそのバンドを知って作品と歌詞に触れた時にうかんだキャラクター。
この〈鴉〉をきっかけに制作できるのではないのかと、再編集を思いついた次第です。

〈鴉〉が表現するもの


「鴉」150×100㎜
インク・ケント紙

〈鴉〉を描く時は決まってゴシックのジャンルで描きます。
ゴシックとは様式美での意味合いが強いですが、自分としては
〈人間の暗部を美しく表現する〉
悲しみや孤独
嫉妬や憤怒
愛憎や狂気
あまり良い印象がありませんが、その感情が暗部に堕ちるまでに深い意味と理由がある。その深みと隠れた愛情の深さを表現したい。
そんなものを目指いして描いています。
「綺麗は汚い、汚いは綺麗」
シェイクスピアの文でもあるように、不確かで美しいもの。
「この世は綺麗なものばかりではない。しかし、泥の中で咲く蓮のように希望のような綺麗なものも隠れている」
憧れたアーティストの世界観を目指して。
それが制作の原点でした。

2024年6月参加予定ペン画制作
描きながらプロットも構想する

次に物語として書き直した「散花の頃」のプロット。
話のあらがき。
これは展示〈幽玄の楼〉2023年5月に初めて展示をして詩も書きました。このイメージビジュアルに描かれている方も世界観が素敵で音源も大切に持っています。
このアーティストも昨年に旅立たれました。
吸血鬼と鴉の話、よろしければお読みください。

「散花の頃」プロット公開

「散花の頃」
吸血鬼は灰になるという。
太陽に焦がれ、太陽に抱かれ、その光の中で身体を捨て旅立つ。
語った女は笑いながら、夜に攫われた自分を嘆く。
愛したものに裏切られ、信じていた者たちに貢物として夜に差し出された。
夜の眷属として生きるには、太陽との別離が待っている。
花を愛し太陽を愛していたその娘は、夜を嫌い花に嫌われ孤独になった。
満月の夜に女は言った。
「この子を差し出すから、私の願いを叶えて」
鴉という悪魔と契約をしたいと懇願する。
私は子供に興味はない、契約する利点はない。それに女は嘘をついている。赤子を差し出すその手は震え、血色の瞳は涙で潤んでいた。
「子守をするほど暇ではない」
「なら、私の魂を上げる」
泣きながら笑う女の魂に興味があった。
花に愛され、花に嫌われたその哀れさに、一度限り花を支配する力を与えた。
子供を置いて行く女の背に声をかけた。
「子供を愛してはいないのか」
「愛しいわ。そして憎んでいるの、その姿に」
黄金色の髪に、白磁に肌。
鋭利な牙に、領主の吸血鬼の面影がある。
「子供に罪はないというのに」
女は振り返る事もなく、闇の中に消えていった。
二日目の闇が明けた時、森のすべてに木々が枯れ果てた。
女に与えたものは、死と引き換えに命を刈り取る破滅の呪い。
命が枯れたという事は、女が願いを叶えたという事。
その魂を受け取る契約を果たす時。
茨の吸血鬼と名高い領主の城はその名のように、茨に覆われすべてが死に絶えていた。茨に食われた夜の眷属は太陽に焼かれ灰になり空に舞い上がる。
その中央で枯れ果てたミイラを抱え女がいた。
吸血鬼のミイラを始めてみた。
身体中を茨に覆われ女は微笑み私を見た。
「契約だ」
茨は枯れ、女は灰に、魂を置いて虚無に旅立った。
残るは吸血鬼であった残骸と女であった枯れた花びら。
そこに母であったものに子供をかえす。
腕の中の子供は知らずに寝息を立てる。
「子供の運命は契約外だ」
朝日が昇る。
誰もいない廃墟に赤子の声が響いた。


とりあえず、やってみる毎日

「絵もかいて文章も書くなんて大変でしょう」
と心配してもらったことがある。
やってみて思う事「やっぱり、大変だ」痛感する日々。
でも、ひとつひとつの山をクリアすると充実感がある。
〈大変だけど、好きなんだろうな〉
一日が終わって思う事。

色彩心理受講の備忘録の〈橙〉で振り返って事は
「何かを集中して制作することが、好きである事」
いろいろな出来事で自分に枷を掛けてしまい数十年ほど回り道をしてしまたこと。
今は「とりあえず、やってみる毎日」

〈今が一番若い〉いろいろ悩んでいた時に教えてもらった言葉。
それを支えに、まず行動してみる日々です。

詩画集

制作日記

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*2024年3月1日(金)~3月31日(日)過去作品を
少し価格を下げて販売予定です。


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卯月螢 /心の風景を描く「心象画」
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