【読書メモ】『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』(著:マーティン・ファクラー)
前年よりも順位を下げて70位、14年前の12位から考えると急落もいいところですが、、その割に好き放題に、特に政権与党でもある自民党に対しては罵倒クラスの報道が繰り返されているとの実態との乖離を感じますが、どうもからくりがあるようです。
「X(旧:Twitter)」でもフォローさせていただいている「Nathan(ねーさん)(@Nathankirinoha)」さんのブログからの引用となりますが、日本のオールドメディア群がひた隠しにする「記者クラブ、クロスオーナーシップ」がランキングを下げている要素でもないのか、との点を、事実ベースで丁寧にまとめられている内容になります。
前年より数値(Score)が下がっている「政治的指標(POLITICAL INDICATOR)」や「経済的指標(ECONOMIC INDICATOR)」あたりがそれぞれ「記者クラブ」や「クロスオーナーシップ」に該当するのかな、何点か該当する箇所を(Google翻訳付で)ピックアップしてみたところ、、
なんてことはない、日頃「機会均等」だの「人権」だ「ジェンダー」だのと喧しくしている日本のオールドメディア自体が「既得権益、政治圧力、男女不平等」を体現してしまっているという歪なお話が浮かび上がってきているだけにしかみえないのですが、、
むしろ、他メディアから指摘を受けているとの事はある意味で広義でのメディアの自浄作用とも見てとれますが、、にもかかわらず『産経新聞』も含めて日本のオールドメディアがその点に言及していないことに、なんとも暗澹たる気分になってしまいながら思い出したのが、『「本当のこと」を伝えない日本の新聞』との一冊。
著者のマーティン・ファクラーさんは、wikiベースでの経歴を拝見する限り、いわゆるリベラル左翼的な動きをされている方のようですので、個人的には思想的には真逆に位置する方と見ています。
ただ、こちらの一冊は「記者クラブ」のいびつさから始まる日本の新聞への提言として、発行された2012年当時、非常に「読ませる」内容だったのを覚えています。丁寧な切り口とまとめ方で、こういう内容であれば一読の価値があるなぁ、といった感じで。
この基本理念こそがオールドメディアが第四の権力と呼ばれる所以と思いますが、果たしてこの原則(プリンシプル)を貫いているオールドメディアは、今の日本にどれだけ存在しているのでしょうか。
例え広告主であろうと、自身の理念と異なるのであれば喰らいつく、そんな「反骨心」が、ジャーナリストには必要とされると、そして大事なのは読者だと、そう述べられています。
自分の言葉で考えられず、表現もできない、、サラリーマン記者である以上は仕方ないのでしょうか。専門職の矜持ではなく、ルーチンで回すだけの記事に魅力が無くなっていったのもある意味、必然だったのでしょう。
「オンリーワン」の記事を出せなくなっていったオールドメディアの行き着く先は、、まぁ、10年が過ぎた今現在(2014年)、この要件に応えられていない日本の既存メディアの惨憺ぶりは、言をあらためる必要もなく。
既存オールドメディアに寄らないそのチャンネルとして、2012年当時から見るとインターネットやブログ、各種SNSはすっかりと定着してきています。この流れは今後も変わらないだろうなぁ、、と、テレビにも新聞にも目を通さない息子を見ながら、サブスクやSNS経由でのニュースは見ているようですが、、スポーツもアマプラとかアベマが頑張ってるしなぁ。
今現在(2024年)、読み手の信頼に根差した発信者の強みは2012年時よりも実感するケースが増えてきていますが、その大半はインターネット経由でのメディアとなります。最近だと「X(旧:Twitter)」で知って、ブログや note などで深堀していく、なんてことが多いです。
個人的には、人々が主体的に考え、判断し、行動していくのが、民主主義社会の理念の一つであり、それを実現していくために必要な知識や情報を提供する社会的基盤であるのが「ジャーナリズム」で、その実行者が「ジャーナリスト」なのだと思いますが、さて、それを実現できている方々は既存オールドメディアにはどの程度、残っておられるのでしょうか。
それだけに、恣意的に統制された、フィルタリングされた情報などただの害悪でしかないかと。オールドメディアの中の人々に上から目線で導いていただく必要などない、人々が主体的に歩んでいくための一助となればよい、「情報サービス」とはその辺りの原則を踏まえるべきと思いますが、、なんて、安倍さんが暗殺された時の「横並び」に嘆息しながら、、マーティンさん、日本のオールドメディア達の安倍さん暗殺報道に対してどのような反応をしていたのだろうか、探してみようかな。
さて2012年当時、至極まっとうなことを考えさせてくれるヒントが根拠と共に示されていて、一気に読めてしまいましたのを覚えています。ただ一点だけ奇異に映ったのが、何故か朝日新聞が繰り返している捏造問題には一言も触れようとしていなかった点でしょうか。他の大手新聞については概ね事例を挙げながら指摘しているにもかかわらず、です。
朝日新聞、ニューヨーク・タイムズ両社が提携していることもあったのか、とも思いますが、この点についてジャーナリズム精神が発揮されていなかったのを残念に感じたのを覚えています。
個人的に、ここまで丁寧な取材をされているのであれば「アサヒる朝日新聞とその不愉快な仲間たち」を知らないはずはないと思いますが、、まぁ、そのダブスタ(相手で出し入れする反骨心)っぷりは、ある意味で日本におけるリベラルを僭称する左翼の様式美でもあるので致し方なしですかね、今でも同じなのかな、図書館で何か探してみようかな、、なんて思いながら。