見出し画像

【やさしい】増えちゃってもいいさ【不妊症ガイド】

たなかゆうすけです。

この続きです。

卵胞発育のコントロールが難しい方への対策をお話しましょう。


ジョースター卿の教え

皆さん当然ご存じのことと思いますが、ジョジョの奇妙な冒険という、国民的漫画があります。え、知らない?そんなやつおれへんやろ~(大木こだまひびき)

このジョジョの奇妙な冒険の第一部では、主人公ジョナサン・ジョースターのお父さんであるジョースター卿の教えが登場するシーンがあります。ジョースター卿は次のように言いました。

なにジョジョ?
ダニーがおもちゃの鉄砲をくわえてはなさない?
ジョジョ それは
無理矢理引き離そうと
するからだよ
逆に考えるんだ
「あげちゃってもいいさ」
と考えるんだ

ジョジョの奇妙な冒険 第一部より

なんとも含蓄のある教えです。いろんなことに応用が利きそうですね。

これを排卵のコントロールが難しい方に当てはめると、

排卵させるのが難しい?
それは
1個だけ排卵させようと
するからだよ
逆に考えるんだ
「増えちゃっていいさ」
と考えるんだ

ということになりますね!


体外受精・胚移植という対策

いやいや、前項でアナタ排卵個数増やしちゃあダメってお話したじゃありませんか。多胎妊娠は危ないって話をしたところでしょう。言ってることが違いやしませんか。

それはその通りです。『タイミング法や人工授精では』排卵個数を増やすと多胎リスク上昇につながります。この場合は、『増やしちゃっていいさ』ではもちろんありません。しかし、体外受精・胚移植の場合は、『増やしちゃっていいさ』です。

排卵障害の大部分の方は1個だけ排卵させるコントロールが難しいだけで、多く排卵させるぶんには実はあまり難しくありません。とりあえず卵子を発育させるだけなら、hMG製剤やFSH製剤を連日投与してしまえば大抵の場合はOKです。増えた卵胞をすべて回収して、体外で受精させて受精卵まで発育させます。その後、子宮内に入れる個数を1個だけにすることで多胎妊娠は予防ができます。

多少増やしたところで、hCG製剤の投与を避け、妊娠が成立しないように全胚凍結をしておけば、卵巣過剰刺激症候群の重症化も予防できます。昔は体外受精・胚移植でも卵子の個数を増やすことはリスクが高かったのですが、近年では刺激方法の進化でかなりリスクが下がりました。卵子の個数を増やせば、採卵あたりの妊娠率も上昇するという効果も見込めます。

もちろん最初から体外受精・胚移植を実施する必要はありませんし、タイミング法や人工授精で妊娠成立するのがベストです。しかし、どうしてもリスクが発生してしまうことはあります。そういった場合に、体外受精・胚移植がブレイクスルーになることがあります。なんどもなんども刺激がうまくいかないと心が折れそうになるかも知れませんが、対策はちゃんとあるよと考えてもらえれば良いと思います。


今日はこのくらいでおしまいです。
これはよもやま話のほうが良かったかも…
まあとにかく、

アリーヴェデルチ!(さよならだ)



妊娠を希望される皆様が、幸せな結末へたどり着けますように…

たなかゆうすけでした。

コメント、メッセージ、スキなどいただけると大変励みになります!

いいなと思ったら応援しよう!