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【やさしい】採卵周期の受診スケジュール【不妊症ガイド】

たなかゆうすけです。

よく聞かれる質問シリーズです。採卵周期の受診スケジュールについてお話します。

採卵周期の受診タイミングは以下の通りです。

1.卵巣刺激開始時
2.卵胞発育のモニタリング、採卵の決定
3.採卵
4.採卵後
5.妊娠判定(新鮮胚移植の場合は)

条件が揃っている方だと1-4の各1回ずつ、計4回で終了です。少し突っ込んでお話していきましょう。


卵巣刺激開始時

月経周期の2-3日目に受診していただいています。突出して発育している卵胞や遺残卵胞がないことを確認できたら、卵巣刺激を開始します。

明らかに発育している卵胞がある場合や遺残卵胞を疑う場合は、採血を当日確認することもあります。場合によっては想定通りの卵子が回収できない可能性が高くなるため、卵巣刺激を開始しないこともあります。


卵胞発育のモニタリング、採卵の決定

サイズが18mm以上の卵胞が3個以上になったあたりで採卵を決定します。その状況になるまでは何度か受診していただいて卵胞のモニタリングを行いますが、2回目の受診で採卵が決定することもよくあります。受診のタイミングは刺激方法に依ります。

PPOS法、ショート法、ロング法といった持続的に排卵を抑制している方法では、刺激開始から1週間後の受診としています(現在ではロング法はほぼ行いませんが)。私は卵胞の発育はほぼ初回投与量で決定すると考えており、途中の調整はよっぽどの場合でなければ行わないため、排卵の心配が少なければ受診回数を減らすために2回目の受診タイミングは遅らせています。

持続的に排卵の抑制が行われていないアンタゴニスト法などでは、刺激開始から5-6日後と少し早めの受診をお願いしています。アンタゴニスト法の固定打ちが刺激開始から6日目にアンタゴニスト開始なので、そのあたりにしています。特にもともとの月経周期が短い方などは、早めに排卵刺激が開始してしまうこともありますので、2回目の受診を遅らせるのはリスクがあります。

卵子の個数があまり多くない方は、初回投与の反応を見て個数が増えそうかどうか判断することもあります。この場合は2-4日後と早めの受診をお願いすることもあります。

採卵が決定した後は、トリガー(点鼻薬やオビドレル)の時間と、採卵の日時を間違えないようにしてください。


採卵

月経周期の13-15日目になることが多いです。凍結精子を使用する場合の除き、当日は精子の採取が必要になりますので、当日の朝に夫(パートナー)が在宅していることが最低条件になります。一緒に受診していただいてもOKです。

現在は08:30ごろに受診していただいています。採卵後は媒精方法や移植条件、凍結条件を決定します。新鮮胚移植を行う場合はホルモン補充の説明があります。麻酔採卵の場合でも10:30前後にはご帰宅いただけることが多いです。


採卵後

新鮮胚初期胚移植の場合は2-3日後、新鮮胚盤胞移植の場合は5日後、全胚凍結の場合は約1週間後の受診としています。全胚凍結の場合の受診時期は、強い症状がなければ割とフレキシブルです。

新鮮胚移植の場合は、移植後にホルモン剤の追加処方や妊娠判定日の予約があります。

全胚凍結の場合は、培養、凍結の結果説明と、卵巣の腫れのチェックがあります。


妊娠判定(新鮮胚移植の場合)

採卵の15日後が基本です。14日後でも、16日後以降でもOKです。13日後より前は推奨しません。

当日採血でhCGを測定して妊娠判定を行います。結果が出るのに30分程度いただきます。結果に応じてお話をします。


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前述のとおり、条件の揃っている方はトータル4回の受診で採卵周期は完了します。時間の縛りが厳しいのは採卵のときだけ(早朝の縛りがあります)で、それ以外は朝でも昼でも夕方でも問題ありません。採卵時期も少しズラすくらい(特に遅らせるほう)は問題ありませんし、途中の受診も基本的にはご都合に合わせます(ご提案はしますが)。

お仕事しながらでも受診できるよう調整しますので、ご相談ください。



妊娠を希望される皆様が、幸せな結末へたどり着けますように…

たなかゆうすけでした。

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