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【やさしい】精液所見の意味【不妊症ガイド】

たなかゆうすけです。

今回は精液所見についてお話します。

不妊症のうち男性が原因となっている割合は、半分くらいあると言われています。男性のファクターを評価する方法として最も広く行われているのが、精液検査です。精液検査では、精子の数や運動性などの様々なパラメーターを測定します。


WHO基準

精液所見の基準として最も一般的なのは、WHO(World Health Organization)の基準でしょう。

WHOでは、以下の通り基準値が設定されています(2021年度版)

精液量      1.4mL
総精子数     39×10万
精子濃度     16×10万/mL
総運動率     42%
前進運動率    30%
生存精子数    54%
正常形態率    4%


どの項目が重要?

本邦の精液所見に関連する保険病名としては、『乏精子症』『精子無力症』『無精子症』などがあります。精子の数が少ないのが乏精子症、精子の運動性が低下しているのが精子無力症、精子が全くいないのが無精子症です。

ここらもわかるとおり、精液所見で重要なのは『精子の数』と『精子の運動性』です。WHO基準の項目では、総精子数、精子濃度、総運動率、前進運動率などです。もともと精子は奇形が多く、正常形態率は4%もあれば十分で、あまり重要ではありません。


基準値の意味は?

WHOの基準値は、1年以内にパートナjc妊娠した男性100名の精液所見を上から順に並べていき、上から95番目の数字を基準と設定しています。つまり、これ以下の値でも妊娠してる方はいます。基準値を下回っているからといって妊娠の可能性がないということではないことには注意が必要です。

また、基準値を上回っているからといって、妊娠を保証してくれるものではありません。不妊の原因は精液の所見が悪いことだけではありませんので、なかなか妊娠しない場合にはその他のファクターにも目を向ける必要があります。


精液検査の特性

上で述べたように、精液所見は妊娠の可能性を完全に予測することはできません。基準値を下回っていても妊娠の可能性がありますし、基準値を上回っていても、他に不妊の原因となるものがしっかり存在する場合は、妊娠しないことがあります。それぐらいあやふやなものと思っていただいて結構です。

また精液所見は検査ごとの変動が大きいのが特徴です。精液所見では方針が変更にならない場合も多くあり必ずというわけではありませんが、基本的には2回の平均をとることが多いです。1回だけの精液検査では方針が決まらないことはよくあります。


どのように考えるのか?

では実際どのように考えるのでしょうか。精液所見を『基準値以上』『少し悪い』『かなり悪い』に分けてみましょう。今回は『全然いない』は特殊なので考えません。

続きは次回に。



妊娠を希望される皆様が、幸せな結末へたどり着けますように…

たなかゆうすけでした。

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