【やさしい】不妊治療でよく用いられる略語~R②、S【不妊症ガイド】
たなかゆうすけです。
不妊治療のいつまでやるのか略語解説です。
RIF リフ
Recurrent Implantation Failure 反復着床不全
これについては別稿で解説する。いろいろと言いたいことがある項目ランキングでも上位に位置する。以下私見まみれ。最近のEuploid胚の着床率のデータとESHREのガイドラインは肌感覚と一致する。つまり、『着床不全って実際はほとんどないんじゃないの?』ってことである。真の着床不全が本当はかなり少ないとしたら(…以下検閲)
RNA アールエヌエー
RiboNucleic Acid リボ核酸
DNAと比較すると、RNAは一般に不安定。DNAは主に情報の蓄積・保存を行っており、RNAはDNAの情報をもとにタンパク質を合成する際に活躍する。情報を伝達したり(メッセンジャーRNA)、アミノ酸を運搬したり(トランスファーRNA)、リボソームと呼ばれるタンパク質合成装置を構成したり(リボソームRNA)する。正直実臨床でRNAを意識することはほとんどない。分子生物学の基本中の基本。
SET セット
Single Embryo Transfer 単一胚移植
現在主流の移植方法。過去には、初期胚の複数胚移植が主流であった時代もあるが、多胎妊娠の頻発が問題となっていた。現在では単一胚移植でも、妊娠率が担保できるようになってきたため、単一胚移植、特に単一(良好)胚盤胞移植が主流となってきている。これにより多胎妊娠が減少した。二胚移植はDET(Double Embryo Transfer)。単一胚盤胞移植をSBT(Single Blastocyst Transfer )と呼称することもあるが、一般的ではない(便利なのでよく使いますが)。elective Single Embryo Transfer (eSET;選択的単一胚移植)という用語もあるが、胚選別するのは当たりまえ体操なので、わざわざこの呼称が用いられることは多くない。
SRY エスアールワイ
Sex-determining Region Y Y染色体上性決定遺伝子
女性の染色体は通常46XX、男性の染色体は通常46XYであるが、Y染色体上にはSRYと呼ばれる領域があり、これにより精巣(睾丸)が分化し男性型の体になる。基本的にはY染色体を持たなければ身体は女性型となりY染色体を持てば身体は男性型となるが、Y染色体を持っていてもSRY遺伝子の発現に異常がある場合には、男性型とならず女性型となることがある。あくまで基本的にであり、例外はあり。
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