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妊娠初心者ガイド『妊娠に必要な過程は?』
前回、少なくとも『妊娠のために精子と卵子が存在することが必要』ということをお話しました。では、その精子と卵子が存在するという条件で、どのような過程を経て妊娠が成立するのでしょうか。
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妊娠の成立には、『排卵』、『受精』、『着床』の過程が必要となります。この3つの過程が滞りなく進んでいくことで、妊娠が成立します。実際には体の中でどのようなことが起こっているのでしょうか。
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・まずは『排卵』が起こります
卵子は、卵巣の中に格納されており、そのままでは精子と合体・受精はできません。妊娠の成立の最初の過程として、卵子が卵巣から正常に排卵されることが必要です。
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・排卵した卵子は、卵管内へ取り込まれます
排卵した卵子は、いったんおなかの中に出ます。排卵した卵子は、卵管内に取り込まれて精子の到着を待ちます。卵子は自分で動くことはできないため、卵管が卵子を掴みに行きます。卵管のおなかの中側は、卵管采と呼ばれる卵子をピックアップするための構造になっています。
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・精子は、卵管膨大部で待つ卵子を目指して体内を移動していきます
膣内へ射精された精子は30分程度でサラサラした状態へ変化します。これを液化と呼びます。液化の後、精子は膣から子宮の入り口である子宮頚管を登っていきます。子宮頚管は普段は蓋がされたような状態になっていますが、排卵前後の子宮頚管は女性ホルモン(エストラジオール)の影響で粘液が増加しており、この中は精子が普段より通過しやすくなっています。この粘液の中を通って精子が子宮内へ進入します。
卵子は、排卵されてから約24時間は受精する能力を保っています。また、精子はおなかの中で72時間程度は生存していると言われています。この制限時間内に精子と卵子が出会うことで、受精が起こります。
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・受精卵が発育しながら子宮内へ運ばれる
精子と卵子が出会った後は、別々の細胞であったものが合体し、一つの細胞、『受精卵』となります。この受精卵を『胚』と呼ぶこともあります。受精卵は細胞分裂を繰り返しながら発育し、赤ちゃんの姿になろうとしていきます。受精は、卵管のおなかの中側で起こり、着床はその反対側の子宮で起こるため、そちらへ移動しなければいけません。その場に留まったままでは、正常な着床は起こりません。しかし、受精卵は自分で動く能力を持っていないため、卵管内のヒダ構造の助けで運ばれて行きます。ベルトコンベアで運搬されていくのを想像してもらえばよいと思います。受精卵が着床する能力を獲得するまで十分に発育した状態で、正常に子宮内まで運ばれれば、着床が起こります。
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・受精卵が子宮内膜にもぐりこんで着床し、妊娠が成立する
受精卵が着床する子宮内膜もまた、着床にむけて準備をします。受精卵を迎える環境は月経のためにリフォームされ、妊娠が成立しなかった時に古いベッドを入れ替える作業が月経です。月経が来たのちは、排卵に向けて女性ホルモン(エストラジオール)が増加してきますが、この作用で子宮内膜は厚みを増し、ふかふかになっていきます。そのままではまだ受精卵を迎える準備はできていませんが、さらに排卵が起こると、プロゲステロンというホルモンの作用で、受精卵がベッドインできる状態になります。この準備の整った子宮内膜に、着床する能力を獲得するまで十分に発育した状態の受精卵がもぐりこめば、着床が起こり、妊娠が成立します。着床した後に、受精卵は子宮内膜にどんどん根を生やして胎盤を形成していきます。着床は、排卵から約7日後に起こるとされています。
ここまで、
・ 妊娠成立には、『排卵』『受精』『着床』の3つのステップが必要であるということと、各ステップの概要についてお話しました。
ここから各ステップについて、もう少し詳しく解説をしていきます。
次は、『排卵はどのように起こる?』ということをお話します。
妊娠を希望される皆様が、幸せな結末へたどり着けますように…
また次のお話でお会いしましょう。