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【やさしい】不妊治療でよく用いられる略語~I①【不妊症ガイド】

たなかゆうすけです。

不妊治療のフランクな略語解説です。今回はIから始まるものです。


ICI アイシーアイ

IntraCervical Insemination 子宮頚管内人工授精

AIHの一つ。子宮内に調整精子を注入するのがIUI(IntraUterine Insemination)であるが、こちらは頸管内に注入する方法。頸管をAIHチューブがどうしても通過しない場合に行われることはあるが、成績はIUIの方が良いため、基本的にはICIは実施しない。


ICM アイシーエム

Inner Cell Mass 内部細胞塊

受精卵がグレード3以上の胚盤胞に発育すると、内部細胞塊(ICM)と栄養膜細胞(TE)が区別できるようになる。ICMは将来の胎児になる部分で、TEは将来の胎盤になる部分である。ICMはその大きさで、ABCの三段階評価をされる。


ICSI イクシー

IntraCytoplasmic Sperm Injection 卵細胞質内精子注入法

いわゆる顕微授精のこと。細径の針(ガラス管)の内部に不動化した精子を吸引し、卵子の細胞膜を貫通させて内部へ精子を送りこむ。専用のデバイスが必要で、実施には熟練が必要。通常の顕微授精をconventional-ICSIと言い、piezo-ICSIと区別する。conventionalでは卵子の細胞膜を貫通する際に、細胞膜に針を押し付けてから軽く吸引を行って、細胞膜を貫通させる。これに対しpiezo-ICSIでは、細胞膜に針を押し付けてから専用のデバイスで微細な振動を針に与えて、細胞膜を貫通させる。なんとなくpiezo-ICSIの方が卵子に優しそうな雰囲気があるが、基本的に成績には差がない(受精率は向上するという報告はある)。


IMSI イムジー

IntraCytoplasmic Morphologically selected Sperm Injection 形態学的に選別したICSI

精子頭部の細胞質を宇宙まで見えるくらい高拡大で観察できる(6000倍!)顕微鏡を用いて空胞の大きさを観察し、大きな空胞を持たない精子を選別してICSIを行う方法。実際月を見るのには150倍くらいで良く、普通の顕微鏡の倍率でもOKなので、宇宙見えるどころではない。大きな空胞を持つ場合は、そこから発生する活性酸素(酸化ストレス物質)によって、DNAの断片化などの細胞障害が発生すると考えられている。ただし、通常のICSIと成績に差はない。残念。


Iから始まるものは、まだ続きます。
Iが多すぎるね…(意味深)



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