【やさしい】クラミジア感染症について【不妊症ガイド】
たなかゆうすけです。
今日はクラミジアの話です。
いつの間にか感染していて、大きな爪痕を残していることがある感染症、それがクラミジア感染です。
クラミジアは性行為によって感染することがある感染症で、STD(sexually transmitted diseases)と呼ばれる性感染症の一種です。原因となる病原体はクラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)です。性器に感染する場合(性器クラミジア)と、のどに感染する場合(咽頭クラミジア)があります。
感染してから1~3週間は症状がなく、その後症状が出てきますが、女性の場合は感染しても90%が無症状であり、感染に気付かないことがよくあります。男性が感染すると、尿道炎や精巣上体炎を発症することがあり、排尿痛、尿道不快感、掻痒感(かゆみ)などの症状がでることがあります。
女性では、子宮の入り口である子宮頚管に感染し、そこから体内へ上がって行き卵管や骨盤内に炎症を起こします。炎症とは感染した病原体を排除するための生体の防御反応ですが、自分の組織もこれによってダメージを受けてしまうことがあります。
またクラミジア感染があると、赤ちゃんが産道を通って出てくるときに感染することがあります。これによって、結膜炎や肺炎を起こしてしまうことがあります。
クラミジアによる影響
卵管に炎症が起こると、卵管狭窄(狭くなること)や卵管閉塞(塞がってしまうこと)を起こします。卵管の端っこの卵管采に炎症が起こってしまうと、周囲と癒着(くっつくこと)して動きが悪くなり、卵子を取り込む能力に問題が起こることがあります。このように、クラミジアは卵管の機能に大きな問題を起こすことがあります。
さらにクラミジアがおなかの中に広がり、肝臓の周囲に炎症を起こすことがあり、強い腹痛症を呈することがあります。これをFitz-Hugh-Curtis症候群と言いますが、これを起こした後の方では腹腔鏡で肝臓の周囲に膜状の癒着が観察できることがあります。
同様に、クラミジア感染を起こした卵管では、卵管鏡で膜状の癒着が見られることがあります。
このように、クラミジア感染で炎症反応が起こることによって不妊症の原因となる卵管の問題を引き起こすことがあります。卵管性不妊の実に半分以上がクラミジア関連と言われています。卵管水腫になっている例もしばしば遭遇します。
クラミジア感染は予防できる?
クラミジアには現時点では予防接種はありません。また、感染して治っても、弱い免疫しかできないので繰り返し感染することがあります。。
予防のために、性行為や性交類似行為も含む性的接触時にはコンドームを使用しましょう。
妊娠を希望される皆様が、幸せな結末へたどり着けますように…
たなかゆうすけでした。
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