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【やさしい】不妊治療でよく用いられる略語~I②【不妊症ガイド】

たなかゆうすけです。

不妊治療のよくわかるようでよくわからない略語解説です。今回はIの続き。

そこにIはあるんか!


IUI アイユーアイ

IntraUterine Insemination 子宮内人工授精

AIHの一つ。通常AIHと言えばIUIである。


IVF アイブイエフ

In Vitro Fertilization 体外受精

in vitroとは、ラテン語で『ガラスの中で』を表す。体内と同様の環境を人工的に作成した試験管や培養器等の中で(体外環境で)の反応を指す用語。Fertilizationは受精を指す。すなわち、In Vitro Fertilizationとは『体外環境での受精』を指す。in vitroに対し、in vivoは『生体内で』を指す。ちなみに『受精』と『授精』は異なり、体外受精は『体外授精』とは表記しない。『受精』は、(自然と)受精が起こること、『授精』は、(人工的に)受精を起こさせること、というイメージ。体外『受精』は、卵子の周囲に精子を振りかけて『後はお若いお二人にお任せして…』と言った方法(お見合いの仲人か)。顕微『授精』は精子を直接卵子に入れてしまう方法で、親の決めた相手と結婚するような感じか。ちょっと違うような気がする。この論法で行くと人工授精は子宮内に精子を注入するだけと言えばそうなので人工『受精』ではないのかと思うが、そこは人工『授精』。何かが間違っているのか…


IVF-ET アイブイエフイーティー

In Vitro Fertilization - Embryo Transfer 体外受精・胚移植

体外授精・胚移植は、体外授精して終わりじゃないよ、胚移植までしてワンセットだよ、ということを主張している。Embryoとは胚すなわち受精卵の発育したもの。Transferは移植を指すが、臓器移植の移植はTransplantationである。子宮内に植え付けているわけではなく、子宮内へ運搬しているだけ。正しくは『胚移送』ではないかと思うが、『胚移植』の方がカッコいいしイメージもしやすいので日本語に翻訳した方のセンスが良かったのでしょう。


IVF-ET アイブイエフイーティー

In Vitro Maturation 未成熟卵体外成熟

卵子をあえて未熟な状態で採卵し、体外で成熟させてから受精させようという方法。元々多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者で通常の卵巣刺激から採卵を行うと卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が問題になりやすかったため、『そや、ほとんど薬剤投与せずに採卵したろ!』という考えの下スタートした。あまり成績がよろしくない、保険適応がない、アンタゴニスト法の出現でOHSSリスクが低減したなど様々な理由で、実際に行われることは少ない。


Iが多すぎて少し疲れましたね。このくらいにしておきましょう。



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