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【やさしい】注射の排卵誘発剤【不妊症ガイド】
たなかゆうすけです。
今回は注射の排卵誘発剤についてお話します。
注射薬には
1.hMG(Human Menopausal Gonadotrophin)製剤
2.urinary FSH(uFSH)製剤
3.recombinant FSH(rFSH)製剤
の3種類があります。いずれもFSHのそのものを直接供給することで、作用を発揮します。これらの製剤はFSHとしての作用とLHとしての作用を併せ持ちますが、主に作用するのはFSHの方です。LH作用が比較的強いものがhMG製剤で、比較的弱いものがuFSH製剤です。rFSH製剤は基本的にLH作用を持ちません。これらの薬剤の効果には、ほとんど差がありません。
比較的安価なのがhMG製剤とuFSH製剤で、rFSH製剤は比較的高額です。これらは価格差で使い分けるというよりは、剤型の違いで使い分けることが多いです。剤型として
1.アンプルタイプ
2.ペンタイプ
の2種類がありますが、hMG製剤とuFSH製剤は基本的にアンプルで、rFSH製剤はペンタイプです。
アンプルタイプは、自分でアンプルをカットし、注射水と混ぜ合わせて注射器に吸い取らなければいけません。自分で行う場合はやや慣れが必要です。これに対しペンタイプは薬剤が封入されているキットになっているため、アンプルタイプのような作業は必要ありません。使いやすい反面、キットが精密な構造をしているため、やや高額です。院内で注射をする場合は、基本的にアンプルタイプを使用します。
注射針はアンプルの場合、通常の注射針を使用するため、キットに比べると少し針が太めで長めになっています。キットタイプは針が付け替えのカートリッジになっており、比較的細くて短い針です。自己注射が苦手な方は、ペンタイプの方がやりやすいと思います。自己注射はおなかに打つことがありますが、いずれのタイプでも垂直に思いっきり刺しても、針がおなかの中まで入ることはありません。
続いてはこちらのトリビアです
薬剤には力価があり、75単位とか150単位とか225単位とか見たことある方もいらっしゃると思います。ペンタイプのゴナールとかだとダイヤルで単位数を合わせる形式になっています。この単位とは、国際単位(International Unit:IU)のことを表しています。この国際単位というのは、雌のシロネズミちゃんにFSHを注射して、卵巣の重量がどれくらい増えるかというのを測定して単位にしたものです。だいたいFSHの力価が56単位でシロネズミちゃんの卵巣重量が1mg増加するくらいってどこかに書いてありました。これは本当にどうでもいいトリビアなので、知らなくても全く問題ありません。
へぇ~ へぇ~ へぇ~
次はタイミング法や人工授精の場合の注射薬の投与プロトコルについてお話します。
妊娠を希望される皆様が、幸せな結末へたどり着けますように…
たなかゆうすけでした。
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