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タイミング法のススメ ~卵胞計測、排卵誘発の実践~ ③卵胞モニタリング時の採血
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卵胞モニタリングの際の採血値の読み方ですが、基本はE2、Pで確認します。
E2は卵胞発育を反映し、検査系で少し差はありますが、排卵前に300pg/mL前後へ上昇します。E2値は加齢、内膜症の有無、排卵誘発剤の種類などで多少の影響を受けます。特にレトロゾール使用時はE2値が半分以下へ低下するため、卵胞が発育した状態でも100pg/mL程度しか出ないことはよくありますので、ご注意ください。E2値は卵胞の発育は反映しますが、正確な排卵時期は判断できません。
プロゲステロンについて、教科書的にもP4≧3.0なら排卵後として良いです。P4<0.5の場合は未排卵として良いと思います。0.5≦P4<3.0の場合はエコー所見と併せて個別判断ですが、P4>1.0へ上昇している場合は排卵していることが多い印象です。
LHは排卵時期のモニターとして使用できます。E2≧200pg/mLが数日持続すると、LHサージが起こると言われています。LHサージの開始から排卵までは36時間程度、検出できるようになってからは24時間程度で排卵します。排卵期には40≦LH≦100mIU/mLとなります。排卵の予測はできますが、卵胞発育の指標にはなりません。hCGを投与する場合は計測の必要はありません。
FSHは基本的に卵胞発育のモニタリングや排卵の予測には用いません。
続きます。