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【やさしい】不妊治療でよく用いられる略語~P③、R①【不妊症ガイド】

たなかゆうすけです。

不妊治療のセンシティブじゃない略語解説です。


PID ピーアイディー

Pelvic Inflammatory Disease 骨盤内炎症性疾患

子宮付属器炎、卵管膿瘍、ダグラス窩膿瘍、骨盤腹膜炎などの骨盤内の細菌感染症の総称。感染症に伴い炎症反応が起こり、骨盤内臓器が癒着すると、不妊症の原因となり得る。不妊症の病歴聴取でも大事なポイントとなる。採卵後の感染でもPIDが起こることがあるが、頻度は0.5%程度とされており滅多に起こらない。


POI ピーオーアイ

Premature Ovarian Insufficiency 早発卵巣不全

40歳未満で卵子が枯渇してしまい、閉経すること。有効な治療法が確立されていない。30歳未満の0.1%、40歳未満の1%に認められるとされており、とても珍しいというわけではない。体外受精・胚移植の、排卵誘発による獲得卵子数の増加という恩恵を受けにくいため、治療が難航することが多い。卵子数がかなり減少するまでは月経不順などの症状は自覚しにくく、なかなかわからないことがあるのが困ったところ。


PRL ピーアールエル

PRoLactin プロラクチン

乳汁分泌に関わるホルモン。排卵を抑制する作用があり、無月経や月経不順の原因となり得る。薬剤性や甲状腺機能異常、腫瘍性など原因はさまざま。異常高値の場合はプロラクチノーマと呼ばれるプロラクチン産生腫瘍を疑う。内服治療としてカバサール(カベルゴリン)を使用することが多い。排卵障害や乳汁漏出のない高プロラクチン血症を診断する意義はあるのだろうか。


rFSH リコンビナントエフエスエイチ

Recombinant Follicle Stimulating Hormone 遺伝子組み換え卵胞刺激ホルモン

リコンビナントとは、Re-combinationのこと。再結合すなわち組み換えと訳す。チャイニーズハムスター卵巣細胞に卵胞刺激ホルモンのゲノムDNAを組み込んで産生される。遺伝子組み換えだから体に悪いとかいうことはない。尿由来の成分と比較して不純物が少なく、効果のバラつきが少ないと言われているが、実際は一般的に効果に差はない。ペン型の製剤が開発されており自己注射しやすいが、価格はややお高め。





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