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【やさしい】不妊治療でよく用いられる略語~A①【不妊症ガイド】

たなかゆうすけです。

不妊治療では略語を使用することが多いのですが、これの解説をします。思いつきです。

今回はAから始まる略語です。


AI エーアイ

aromatase inhibitor アロマターゼ阻害薬

アロマターゼは男性ホルモン(アンドロゲン)を女性ホルモン(エストロゲン)へ変換する。これを阻害するのでエストロゲン値は減少し、これを感知した間脳視床下部-下垂体系より卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌が増加し、卵胞の発育が促進される。

人工知能(Artificial Intelligence)のことではない。


AIH エーアイエイチ

Artificial Insemination of Husband's semen 配偶者間人工授精

排卵のタイミングに合わせて、調整した配偶者(夫)の精子を注入する治療法。主にICI(intracervical insemination;頸管内へ注入する方法)とIUI(intrauterine insemination;子宮腔内へ注入する方法)があるが、基本的に成績の面からIUIを実施する。特殊なものとして、DIPI(direct intraperitoneal inseminatin;腹腔内へ注入する方法)や、FSP(fallopian tube sperm perfusion;卵管内へ注入する方法)があるが、ほとんど実施されない。

略語の解説で略語を使い過ぎていて読みにくい。反省。


AMH エーエムエイチ

anti-Müllerian hormone 抗ミュラー菅ホルモン

卵巣予備能検査の一。ミュラー管は女性生殖器の原基である。人間の体はもともと女性になるようになっているが、男性ではAMHの作用でミュラー管の発達が抑制され男性型の生殖器となる。女性では前胞状卵胞以降の卵胞から分泌され、残存卵子の指標や卵巣刺激で発育する卵子数を予想する指標となる。割と誤差があるため、だいたいの目安と捉えておくのが良い。


AFC エーエフシー

antral follicle count 胞状卵胞数

卵巣予備能検査の一。経腟エコーで左右の胞状卵胞数を計測する。見ているものが胞状卵胞数のため、胞状卵胞数と関係するAMHとは相関がある。AMHと比べて計測時期やエコー実施者の熟練度に左右されるところがあるが、慣れたら簡単に迅速に卵巣予備能を推定できる。

アジアサッカー連盟(Asian Football Confederation)と間違えることはあまりない。


APS エーピーエス

antiphospholipid syndrome 抗リン脂質抗体症候群

抗リン脂質抗体という自己抗体が原因で血液が凝固しやすくなり、血栓症や不育症(反復流産、習慣流産)の原因となることがある。診断基準が超キビシイことで有名。診断された場合はヘパリンとアスピリンの合わせ技で対抗する。

プラモデルでおなじみ(?)のABS樹脂とKPS樹脂とは関係がない。ちなみにABS樹脂は塗装が少しやりにくい。


書いてて面白かったんで何回かやってみましょう。
次回はAの続きから。



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