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【やさしい】不妊治療でよく用いられる略語~L【不妊症ガイド】

たなかゆうすけです。

不妊治療のよくわかるようでよくわからない略語解説です。今回はL編。

Kはなかった。


LEP レップ

Low dose Estrogen Progestin 低用量ピル

いわゆるピル。エストロゲンとプロゲステロンの合剤を指す。低用量ピルと言われるが、何が低用量かと言われるとエストロゲンのこと。エストロゲン含有量によって血栓症などのリスクが異なることがわかっている。エストロゲン含有量、プロゲステロンの種類、薬剤の配合パターンなどで細かい分類がある。低用量があるなら中用量もあり、よくお世話になるプラノバールは中用量ピルである。高用量は基本的に現在は使用されない。


LH エルエイチ

Luteinizing Hormone 黄体化ホルモン

黄体化ホルモンは排卵を起こし、卵胞を黄体へ変化させる作用を持つ。単純に排卵を起こすホルモンという理解でもあまり差し支えはない(と思う)。一度形成された黄体は、hCGの刺激がなければ約2週間で退縮し、月経が発来する。排卵前には血中LH値の急上昇を認めるが、これをLHサージという。サージとは電気関係の用語で、電源投入時等に生じる瞬間的な規格外の大電流のことを指す。不妊治療においては、このLHサージを理解してコントロールすることが一つの大きなポイントとなる。LHサージを誘発する薬剤(GnRHアゴニスト)やLHサージを代替する薬剤(hCG製剤)、LHサージを抑制する薬剤(GnRHアンタゴニストやGnRHアゴニストの連続使用)などを駆使してコントロールを行う。


LUF ルフ

Luteinized Unruptured Follicle 黄体化未破裂卵胞

字のまま理解すると、卵胞が破裂せずに、排卵が起こらないまま黄体化したもの。内膜症がある場合などに起こりやすいとされている。ここからは筆者の完全な私見だが、真のLUFはかなり少ないと考えている。排卵時には破裂した卵胞および卵巣表面からは出血が起こるため、卵胞が破裂していないように見えることはよくある。さらに、いわゆるLUFらしきものが存在する場合でも、妊娠が成立することはよくある(ホントによくある)。もっと言うと、排卵していないことはどうやって証明するのだろうか。プロゲステロンの上昇は黄体化さえしていれば起こるが、卵子自体を捉えたり、毎回腹腔鏡で排卵しているか確認することは困難であろう。この分野は、概念だけが先行して、証明がされないまま使用され続けているものが非常に多い気が(以下自主規制)。一般治療での(検閲)不全とか、着床(検閲)とか不(見せられないよ)とか。これもそういったもののような気がするが、そもそも遭遇することは多くないので、実害は少ない。もう一度断っておくが、私見まみれである。


はー、すっきり。



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