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トランスルーセント*④タンタンと透明愛好家について

10年前


トランスルーセントとは、半透明。

あけぬるか 川瀬の霧のたえまより をちかた人の袖のみゆるは (信経母)

明け方の辺りがほの青い空間に、乳白色に霧がかった川辺で対岸の人(おそらく女性)の鮮やかな着物の袖(個人的なイメージとしては紅色)がみえる。

ドキドキする、刹那的な歌だな、と思いました。

霧の中で翻る袖もそうですが、きっとこのあと、日が昇り、霧はさっと晴れてしまい、幻想めいたこの光景はいつまでもはつづかない。

朝焼けの訪れで刻々と変化し、とどまることのない風景。

陽が昇れば、着物の主の姿も見えてしまうだろう。

見たいような見たくないような期待感。

視覚的に映像が浮かぶ、というよりも

こういう感覚的なものが強く印象に残りました。


そして、10年後

タンタン:キミは昔から透明愛好家だよね。露店のガラス細工にはいつも心ときめくし、照明的なものやステンドグラスにもうっとりする。自然があるところにいけば、キラキラする清流に、目をキラキラさせる。飲み物だって。例えば、ゼリーとかも透明のものの方が好きでしょ。ミルクゼリーにはひかれない。

私:そうなんだけど。いや、ミルクにはミルクの良さがあるんだけど、ゼリーを名乗られると、あの透明さを期待してしまうんだよね。でも食べるよ。おいしいもん。ミルクゼリー

タンタン:ところで今日のおやつは?いまは、初めて生の無花果を食べて感動していたみたいだけど。

私:いや、そうなんだよね。美味しくて。…っは、今日という今日はおやつは無いからね!

タンタン:ふーん、まぁ、いいけど。じゃあね。

私:やけにあっさり帰ったな。あれ、もしかして元気ないのかな…

(後日、冷蔵庫のゼリーがひとつ無いことを知る)



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