コンプリシティ 優しい共犯
上映前の劇場にはテレサ・テンの「時の流れに身を任せ」が流れているはずです。
できたら少し早めに劇場に入って音楽に浸ってから観てほしい、今月4本目。
青春映画
技能実習生として来日するも、研修先から失踪し、不法滞在者となった中国人の青年が主人公です。
技能実習生の失踪についてもしご存じない方は、少し勉強してから観に行くとよいと思います。望月優大さんの「ふたつの日本 『移民国家』の建前と現実」を読んでから観に行くのもお薦めです。
そんな外国人労働者の問題を舞台装置に、ひっそりと、しかし、懸命に生きる主人公の個人的な物語が描かれています。
家族、出立、挫折、逃避、孤独、恋、友情、決意......。
青春映画の王道でしょう。
人情劇
主人公の周囲には「寅さん」や「北の国から」に出てくるような人情味あふれる人々が登場します。
主人公は周囲の人々の優しさに助けられながら成長していきます。
劇中では、主人公と同じような境遇の不法滞在者が、受け子をやらされて警察に捕まったり、住まいを追われて行き場を失ったりする場面もあります。
彼らの周囲に優しい人々は見当たりません。
どちらも、現実なのか。
好きなシーン
蕎麦屋の主人が主人公を伴って蕎麦畑を歩くシーンがとても美しかったです。藤竜也、かっこいい。
このシーンに限らず、山崎裕さんのカメラが素晴らしかったです。
まとめ
- 技能実習生について勉強してから観たい。
- 青春映画の王道をいく。
- 人情劇だが現実にも想いを致す。