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肖像画の話

こんばんは、つららです。

昨年末、VALIS公式chにて一本の動画が公開されました。

バーチャルサーカス団「VALIS」のオリジナル楽曲「革命バーチャルリアリティ」MVです。

カンザキイオリさんのテイストが存分に詰まった曲と、ドール調の3Dモデルが披露する華麗なダンスが素晴らしい動画です。

ところで、この動画を見ていてあることに気づきませんか?

ヒントは、2:35~あたりから、画面中央です。



こちらを見つめる目。



そう、誰かの顔が映っているのです。おそらく誰か男性の肖像画のようなものが透かして映像に合成されているのだと思います。

この目は誰のものなのでしょうか。そして、なぜここに居るのでしょうか。

容疑者1:モーツァルト

イントロ部分で流れたピアノの旋律はモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。そして動画の終盤でもピアノと鍵盤に触れる人物の手が映っています。このことから、この顔は音楽家モーツァルトなのではないかと考えられます。

容疑者2:ラルフ・ワルド・エマーソン

動画の最期には

Sow a character, reap a destiny.

という文が書き込まれます。

これは、思想家ラルフ・ワルド・エマーソンの詩の一部です。原文は以下の通り。

Sow a thought, reap an action;
Sow an action, reap a habit;
Sow a habit, reap a character;
Sow a character, reap a destiny.

思いの種を蒔き、行動を刈り取り、
行動の種を蒔き、習慣を刈り取る。
習慣の種を蒔き、人格を刈り取り、
人格の種を蒔き、人生を刈り取る。

最初に蒔かれる種が「ソート」なの、ちょっと面白いですね。これはVALISのネズm((団長の名前にもなっています。

また、このラルフ・ワルド・エマーソンはアメリカ南北戦争のことを「革命」と語ったとされています。

容疑者3:クラウディオス・プトレマイオス(01/19/2021追記)

動画内にて、神出鬼没のバーチャルサーカス団たるVALISの6人が踊るステージには、おおきな「V・A・L・I・S」の文字と星座線が飾られています。

そしてステージに飾られている6つの星座線は、それぞれメンバーの体にも描かれています。

この星座たちはすべて誕生月星座であることに気づいた人は多いかもしれません。正確に言うと、「黄道十二星座」。

現在、夜空に浮かぶ星座の数はこの十二星座を含めて88と定められているのですが、この88星座の分類の母体となったのが「トレミーの48星座」というものでした。

このトレミーというのは、古代ギリシャの学者プトレマイオスその人です。古代ギリシャにおいて天文学や占星術、地理学を極めた彼は天動説を唱える学術書「アルマゲスト」を執筆し、これはコペルニクスが地動説を発表するまでの期間、広く人々に科学的思考を与え続けました。

結果

以上の二人について、顔を捉えた写真や絵画がないか検索してみたところ、動画内の顔の特徴と一致するような画像は得られませんでした。

プトレマイオスに至っては、正式な肖像画すら残っていません。時代を考えるとそれはそう。(01/19/2021追記)

そもそも動画中の顔が背景に邪魔されて全体を鮮明に捉えることが難しく、元がどのような画像であったかを知ることができないのが残念です。

しかし、画面の中央に固定されている、という演出がされた以上、この人物の正体には何かしらの意味があるはずです。

この顔は誰なのだろう。そしてなぜ私たちの前に現れたのだろう。その目は何を見ているのだろう。そういう疑問だけが残りました。

それでは、また。

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