あとがき | バセドウ病体験談#13
不安感から生まれた体験談
バセドウ病の症状、経過、治療の効果、これらは人によって全く違うもの。
頭では理解していたつもりだったけれど、アイソトープ治療を通して改めて実感しました。
治療後何年も数値が安定しない方、1年後には元気になっている方、手術をされた方、眼症で苦しんでおられる方・・・。
同じ病気でも皆それぞれ違った闘病のかたちがあります。
だから私にできるのは、ひとつのケースとして自分の体験をお伝えすることだけ。
この体験談を書くきっかけのひとつは「わからない事が多すぎる」という不安感でした。調べても体験談が少なく、バセドウ病も、アイソトープ治療も、未知の存在だったのです。
分からないという不安は、時に病気を事実以上により深く重くしてしまうことがあります。
悪い方にばかり考えて事実以上にどんどん深刻化させていってしまう、私の悪い癖。
神経症気質で不安を強く感じやすい私にとって、体験談の少ないバセドウ病と向き合うのは決して簡単なことではありませんでした。
書くのはつらい、それでも
この体験談はもともとブログに掲載していたもの。2022年にブログを閉鎖してnoteに移って、加筆修正を加えながら再度掲載という道を辿っています。
書き始めた当初、体験談をゼロからアウトプットするのは非常に気力の要る作業でした。作業に集中しすぎて疲れてしまってパニック発作を起こしたり、体調を崩して寝込むことも数知れず。
病気に関することだから、できる限り慎重に。
この文章で誰かが傷つくようなことはないか?
少しでも希望を持ってもらえるような内容になっているか?
自分の辛い気持ちばかりを吐露し押し付ける場所になってはいないか?
HSPとも神経症ともいえる私の性格上、あれもこれも気になって、ひとつの記事をアップするのに何十回と読み返し、修正を繰り返しました。
なんとも燃費の悪い書き方です。
それでも諦めずに最後まで書き切ることができたのは、記事を読んでくださる方がいて、更にはコメントを寄せてくださる方がいたから。
文章を書くというのはとても孤独な作業で、しばしば心が折れます。
何のために書いているんだろう、お金になるわけでもないし、体調も崩すし、もうやめちゃおうかな・・・。
何度そう思ったことか。
それでもお読みくださった方からコメントを頂く度に、私の体験談がどこかでほんの少しでも誰かの役に立てたのかもしれないという小さな感動を覚えました。
病気で社会に居場所を無くしている私にとって、それは蜘蛛の糸のような希望でした。
病気で生きがいというものが散り散りに消えてしまって、鉛でできた水の中に沈んで息ができないような日々の中で、ふっと浮き上がって息ができる瞬間。
体験談を書くことを通して、そういう瞬間を私の人生に存在させてくださった皆様に、心より感謝いたします。
体験談を書くことで救われていたのは、他でもない私自身です。
本当に、ありがとうございました。
この体験談がこれから先も、少しでも誰かの役に立てたなら幸いです。
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