豊田工業大学のOpen Lab2023に参加しました
open labは大学の研究室の開放と、研究施設のツアーと研究成果の発表会のようなものです。
12月7日(木)の13:30〜で会社員だった頃は参加できなかったのですが、今は時間があるので見学しに行きました!
背景として
まず背景として補足しておきたい内容。
自分は理系出身ではあるけれど、生物系だったので高校の時点で物理は選択していません。なので工学系の知識には疎く、パネル展示ゾーンでは理解が追いついていませんでした。
キーワードだったり、言葉の意味は知っていても計算式などの解説は??となる感じです。数学も得意じゃないです。
仕事も以前は製薬系で今は情報収集系なので、その関わりもありません。
なぜ参加したのかというと
単純に未知のことを学びに行きたかったからです。情報収集と書いたようにあらゆる分野のあらゆることを知見として増やしていきたいし、技術の実証段階である研究分野で大学は先端の試みがなされています。
企業でも大手ならできるかもしれませんが、ニーズのまだない分野やどう繋げていくか見通しのないものでも研究できるものの筆頭は大学だと思っています。
大学(特に研究室単位)はいつでも誰でも訪問できるものでもなく、連絡をしたら取材はさせてもらえるかもしれませんが、今回のような機会は貴重なので知識不足の状態でも参加させてもらいました。
あと豊田ってついていますが、所在地は名古屋市で資本がトヨタ自動車系から来ているので、名前に豊田と付いているようです。
工程
今回は半日の工程でざっくり大学を知ってもらおうというコンセプトだったようです。
13:30開会
研究活動紹介
特別招待公演
ポスターセッション
研究室公開
17:30閉会
でした。ポスターセッションと研究室公開の間に施設見学が入っており、クリーンルームと工房の見学がありました。
研究活動紹介
こちらは分野が4つに分かれていて
ビークル、エネルギー技術、光物質、情報とそれぞれのセンター長が紹介されていました。
この4つのセンターの活動領域は名前の通りで、移動手段に関係するもの、エネルギーについてのもの、光技術についてのもの、情報整理や処理についてのもの、の研究を進めているセンターでした。
この辺りで思ったのが、勉強は強烈にできるけど説明の変換が上手い人と自分の理解のままで説明する人と、大学の研修センター長の領域でもあるのだなと。
自分は、どのような組織でもある程度の立場に上がるのに説明できる能力は必須になってくると考えていて(結果を出していても理解してもらえなかったら価値にならない為)、例えば会社の役員以上クラスで説明能力の低い人には会ったことがなかったので驚きでした。
研究者という職業がそうなのか、説明の有無が関係のないほど圧倒的な成果を出す人なのか、もしくは両方なのか気になりました。
あと開会の挨拶でもありましたが、学校としてもセンターとしても研究室としても外部の方の意見が欲しいと言われていました。
これは、決まりきった場所や人間関係では固まった思考をしてしまうから活性化したりするのに必要だと思っていたのか、発明や発見にインスピレーションが必要でそこへのパーツ探しなのか、本質的な部分は説明されていませんでしたが
とにかく忌憚のない意見を求めています、とのことでした。
この辺りで考えたこと
せっかく先端の研究成果の発表をしても素人には理解ができないので専門用語だったり、共通の認識としてこの辺りまでの知識が必要、のラインが分かるといいな
→そのあたりは外部から参加している自分が割と近い感覚で理解できるけど、提供したり仕組み化したところで市場にならない。
→もちろん理解することによって興味を持つ人だったり、研究の援助につながる動きは増えるだろうけど、発表を聴く側にそれに対してお金を出してまで頼もうとする人は多くはいないし、先に美術館の音声ガイドのような構造で解決させて学校や研究施設側に資金を出してもらう方向性もあるけど、したところで学校や研究室単位の評価や価値の向上につながるのか不透明。
→だとすると”学校に入る前の学生”に対しての”研究内容を理解するための補助システム”は価値もあるし結果にも繋がりそうだし、利用してもらってのアンケートや統計の回収効果も価値がありそう、さらに教育制度の方からの資金や補助金を引っ張って来れそうだけども・・・
聴きながら思った程度の案で、この辺りすでに考えられてそうなので、実装されていないってことは何かしら問題点があるんでしょうね。
学部単位で全国の大学で共通のシステム構築ができれば、年度更新できるし面白みもあると思うんですけどね。
周りの現役受験生も偏差値だけで他の理由なく学校選んでいる子が多すぎて、そうじゃなくてもやりたいことやしてみたいことに近づけるというのは理解して欲しいところです。
若者の人数が定員割れするほど少ないのであれば、余計にどのような研究をしているか何の勉強をするのか大事だなとは考えています。
大学時代も通わなくていいんじゃないかなという同級生もいたし、社会人になってから大学に行ってないけど通っていたら良かったんじゃないかなという面白い人にも会ってきて、この辺り真剣に構築し直した・・・としてももう手遅れなのかもなと。
トヨタの水素事業の話
特別招待公演の内容が水素事業の展開のお話でした。
ここでも1.0 2.0 3.0の例えが出てきていました。方向性は同じだけど違うもののように拡大したり変化したものの例えで出てきてましたね。
マルチパスウェイ戦略
取り残さないの意味で展開されていると説明されていました。
この話は台湾のIT大臣のオードリー・タン氏が目指していると話されていた考え方にも似ているなと思いました。
先端技術ほど、それと一番関係のない人まで理解できて使いこなせるプラットフォームにすることが開発者としての推進力になるし、色々な立場の人を取り残さないようにすることを政府としても重きを置いているようです。
トヨタの場合はどのような意味でそう説明されているのかまだ判断しかねるのですが(個人的に愛知県で活動しているので系列の方とよく遭遇して、色々な側面が見えるため)
暮らしの求めるレベルや、場所、経済基盤、インフラによっても最適な移動手段は変わっていて(もちろん条件は色々あります)
それは世界中ではもちろん、日本全国だとしても多岐に渡るものです。
なので全部の人をなんとかしようとすると、全方位政策は正義ではあのかなと思っています。
反面、大きすぎる経済規模のグループ企業で舵の切り方次第で影響のある人が多いので、大きくここの領域のみで勝負、ここの領域は全部別事業に転換します、みたいなことが出来なんだろうなとも思えます。
自動車好きとしては何周か回ってトヨタは好感度ありますが、同業他社特に日本の会社に対して甘すぎるとも感じることがあります。
なので水素事業もそうなのだなぁと
取り組みの具体的なフェーズと事例について説明してもらいながら聞いていました。
水素分野で知らなかったこと
世界動向については、自動車だと電気の話しか大衆メディアに降りてきていないけど、他の国でもマルチにエネルギー事業として展開させていて、視点をエネルギーとするのなら他国の方が水素に関しても遥かに取り組みが具体的で危機感や価値観の共通理解が進んでいるんだろうなと感じました。
あと中国が先導して水素を進めている事実は知りませんでした。情報の仕事をしたいのに知らなかったのは致命的だなと反省しました。
開発をするのなら、リスクがあっても向こうでする企業も国もあるのではないかなと感じました。利益は全部取られても、技術革新と全世界規模の前進だけの視点ならありなところがいやらしいですね。
他の分野に関しては聞いたことがあったり見た事のある内容でした。
感想としては、エネルギーを保存するのに万能な物質ってないので、水素を効率よく使いこなせる仕組み作りは今開発して進めていくべきなのかなと。
効率ではなく地球環境視点ならやらないといけない分野かなと。
ポスターセッション
今回の催しのメインとして、各研究室の内容の説明をパネル1枚にまとめたものを展示してあるゾーンがあり、そこで先生に直接説明してもらえる時間帯がポスターセッションでした。
メインだけれど
ほとんど理解できませんでした。時間がないのもありましたが、前提として物理法則の公式や研究への基礎知識がなくて、言葉の意味はわかってもどうしてそこの研究をしているのか(発展の先、そもそもの問題点)、研究の難しさ(費用的なのか技術的なのか)が理解できませんでした。
それでも持ち帰れたものもありました。
”わからないぞ”という顔で展示巡りしていたらどこか質問がありますか、と質問されて
「内容以前に必要な知識とか共通言語ってどのくらい勉強したら理解できますか?
工学系に疎くて質問するレベルになっていないのが自分でわかります。」
という質問をしました。
回答は、4分で説明できる。でした。
えーと思いつつ、実際時計見ながら聞いていて確かに4分以内に理解できました。
相手の頭の回転が早くて、こちらの様子と使う言葉や話し方から理解させる表現を調整して、その場で解説をしてもらえるとここまで早いんだなと感じました。
思い返せば説明できるという話で、理解できるのかは受け手次第な所も最初に明言化してくれていて、自分はこんなの書いてる程度に勉強は好きです。
学ぶ人のマインドセットを身につけていて、教えてくれる人も同様の心得があるときちんと理解できて、ここまで結果に差が出るんだなと体験しました。
これを学生時代にできていたら研究の道に進む人材になっていたのかなとも思えました。
説明してもらったのは半導体のコストと技術の面での課題として、新しいプリント技術探求の研究でした。
施設見学 クリーンルーム 工房
これもメインの催し物でした。事前予約をしていると上記の2つの施設の見学をさせてもらえるツアーがありました。
気になっていたので両方参加しました。
最初に思ったのが、実際に使おうと考えていたり、似たような設備があるから違いだったり参考にしようという視点の方が多かった事です。
自分は両方とも馴染みがなく単に興味だけで参加していて、そのタイプの人はあまりいないそうです。
一般の方に見学をさせている理由はせっかくの施設を使ってほしいという考えがあるようで、利用料金を払えば個人でも使わせてもらえるそうです。
特にクリーンルームは普通の大学よりも基準の高いレベルも対応しているようで、企業と比べても資金力があるようでした。さすがトヨタ系と思いつつ、本来教育分野はこのように資金提供されて潤沢な状態であるのが理想だよなとも感じました。
工房に関しても、会社所属の初期段階で研修として利用して勉強する機会があると取り組む気持ちに変化があるのではないかなと話されている人がいました。
工場見学は知り合いの会社にさせてもらったりしたこともあり、相当綺麗にしている会社に比べても、大学はそもそも教育機関で設備の状態と綺麗さは段違いでした。
この辺りはスタートアップ系のハブで活動しているので、使う機会があれば連絡してみようかなと思いました。貴重な経験で面白かったです。
研究室公開
元々の予定ではこの時間帯に見学したい場所はなかったのですが
最初に配られたパンフを見ていて気になった研究室があったので訪問させてもらいました。
ポスターセッションも研究室公開も施設紹介のツアーと同じ時間帯で、どちらも参加していたので時間が詰め詰めでした。
研究室で気になったのは情報整理の研究をしている研究室で
そちらでは文献や論文などの文字情報データの信用性やグループ分けでの検索などをAIを使ってある程度の絞り込みと正しさを担保しようとするシステムを研究されていて
全部公開中となっていたので、これは自分の仕事でも活用できるのではと思い訪問しました。
結果だけ書くと
プログラムに組み込むシステムとして公開していて、システム開発の基礎知識やプログラミングの技術がないと使えないものでした。
残念なのですが自分はプログラミングの言語は扱えませんし、AIに書かせたことはあってもなぜ動くのか理解できないので、仕方ないです。
でも、どのように情報を構造化して捉えているのかと
どんな人がそのシステムを、何の目的で利用しているのか聞くことが出来たので非常に参考になりました。
こちらの仕事として提供している内容も説明させてもらって、それだと必要としている人はいるでしょうねとフィードバックももらえたので
どう認知させていくか工夫しながら活動を続けようと思いました。
まとめ
今回初めて大学のオープンラボに参加しました。
勉強していない分野では失礼になるのかなと身構えていましたが、実際は興味を持って聞いてみると教えてもらえることが多く、面白かったです。
おそらく全国の大学でも似たような企画があると思います。
情報の一次元の観点で、特定の分野に関して知見を広げたい場合うってつけで、これからも参加したいなと感じました。
反省点としては、勉強していない分野だとしても質問が出せる程度の予習と
研究室のリサーチは必須なところ。
これは相手にやはり失礼ですし、限られた時間で研究室や教授探しからしていると間に合わないのを痛感しました。
次回に活かそうと思います。
もし、ここの大学のこのイベント面白いよ、などあれば教えてください!
勉強会、セミナー、講演会、交流会などは経験値が貯まってきましたが、まだ大学のイベント参加は素人で探し方から始めないとですね。
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