プログラミングの受験(情報科目)とはどんなものなのか?
みなさん、2024年度(2025年1月)から大学入学共通テストに「情報」という科目が追加されたのはご存知でしょうか?
これは2022年の初めに決定され、3年後には実施されるとのことです。
この記事を書いている時点(2022年7月)では高校1年生が3年生になったときには大学入学共通テストにはこの「情報」の試験があるということです。
「情報」というのは一体何なのかよくわからないと思いますが、簡単にいうと「プログラミングの知識を含めたIT周りの知識」ということになります。
それって僕が今仕事で毎日どっぷり浸かっている環境であり、僕が京都精華大学で教えている環境とほぼまったく同じ環境じゃないか!ということで、今、僕がこの情報教育について何か書くことがあるのではないかと思いまとめてみました。
とはいえ僕の知らない領域もありますし、正確な情報とはいえないのですが、3年後の受験に向けてIT業界に働くものの端くれとして情報を提供できればと思っています。
2024年度から開始は本当か?
ネットや新聞では広く告知されているようですが、本当に受験になるのか?という疑問も湧くと思います。
しかし、下記のリンクは大学入試センター(https://www.dnc.ac.jp/)が公に書いているサンプル問題で、ここにも「令和7年度大学入学共通テストからの出題教科・科目」と書いてあります。つまり2024年度(2025年1月)には実施されることは間違いないようです。
・大学入試センターのサンプル問題
https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?f=abm00040342.pdf&n=12_
情報の内容はかなり幅広い
ではさっそくこのサンプル問題をみてみることにします。まずどんな問題があるかみてみます。
第1問
問1:インターネットの歴史
問2:グラフの種類について
問3:デジタル(0と1)の概念
問4:ネットワーク
第2問
問1:プログラミング
問2:プログラミング
問3:プログラミング
第3問
問1:データ分析
問2:データ分析
問3:データ分析
問4:データ分析
ということで、第1問はITのリテラシー一般、第2問はプログラミングスキル、第3問はデータ分析スキルということになります。
つまり何かいいたいかというと、単純にプログラミングだけでなく、かなり幅広い知識が求められています。
なので、ある程度浅く広く知識を身につけることが求められます。
暗記するようなものはほとんどない
見出しがほぼ結論なのですが、問題を見てみるとこれは暗記で答えられる問題ではないというのがよくわかりました。つまり問題はほぼ基礎知識の応用なので、基礎の理論を知っていて、かつ、それをどのように応用するかになります。
全体的には数学の問題に近いですかね。
一部は数学の内容が入っている
実は僕の大学での隣の席にはこのあたりに詳しい方がいらっしゃるのですが、その人に軽く聞いてみると数学の内容も少し含まれているとのことです。ただ、今までの高校で数学で習う内容というよりは、より実践的なITのスキルが求められている印象です。
実際にプログラミングをやったことある人が有利
これはかなり確信をついているのですが、プログラミング経験者であれば、第2問のプログラミングパートはそんなに難しくないです。逆にいうとプログラミングを経験しないでここの本当に解けるのかは疑問です。
そしてプログラミング以外のパートも基本的にはプログラミングの知識に紐づいているところなので、プログラミング経験者であることがほぼ高得点とれるという図式が出来上がっている気がします。
この受験にともなって、高校でもプログラミング教育の授業が必須となっていきますが、プログラミングの知識というのは「作ってなんぼ」の世界でもありますので、まずはプログラミングを書いてみる、そして何か作品を作るというのは僕としてはおすすめです。
スクラッチでもいいし、JavaScriptでもいいし、pythonでもいいし、プログラミングのロジックは基本同じなので、授業とは関係なく、プログラミングを使ってモノづくりを始めることはとても楽しいですし、受験にも直結するのでまさに一石二鳥の分野ではあるのではないかと思います。
ビジネスで視点でみると、この分野の教育者需要がとても高いと思われる
僕自身曲がりなりにも会社の経営者でありまして、教育というよりもついついビジネス視点でこの分野を考えてしまいます。つまり、この分野は大きなビジネスになるのでは?という目線です。
正直深く考えたことはないのですが、全国の国公立大学を受験する生徒が必ず勉強すべき分野なのに現場にはこれらを的確に教えられる先生はいないのではないか?というのはなんとなく想像できます。ウェブを作る現場でも不足している状況で、教育現場でこのような幅広い知識を教えられる人は皆無ではないかと考えられます。
ということでかなりビジネスチャンスではないかと思われます。という自分自身が何かをしている訳ではないのですが、今教育業界のいろんな会社がこの市場を狙っていることでしょう。
と、いろいろ書いてみましたが、時間があるときにもう少しひとつひとつの受験内容について説明ができればと思っています。