豊岡滞在制作1日目 6月13日

「俳優が稽古につきあってくれたら脚本書けることに気づいた!」みたいなツイートをしたら、青年団の山田遥野ちゃんが「じゃあ、うちに泊まりにきて書きなよ!」と言ってくれた。

わたしは青年団には少し苦手意識があって、それはなぜかというと、無隣館(青年団の学校みたいなもの)に合格していたのに、当時体調不良で合宿参加がかなわず、不登校状態になっていた負い目があるからである。(青年団リンクになれる人生、さようなら)

負い目というものは、時間が経つほどに己を苦しめる。放置せずに立ち向かって、次に進むのがベストだ。私は遥野ちゃんの誘いに乗ることにした。私は兵庫県へ行く。

滞在制作がどんな生活だったか、記録をつけて公開することにする。滞在制作をすることははじめてだし、みんなもあまりしたことがないと思うから共有した方がいいと思った。あと、毎日創作に触れていたいから、日記を公開して自分を律する。まじめにやりたいのだ。

滞在制作の目標は20~40分の戯曲を終わりまで書き上げる事と、後輩に書き下ろす1人芝居の戯曲にある程度の目処をつけることだ。

最近、戯曲を書くのが早くなった。創作はなんでもそうだけど、完成させるためには選択・決定をし続けなければいけなくて、決定をするというのは諦めるということで、その諦めるスピードが早くなった。いい成長なのかは知らない。だけど、滞在中に完成までは到達できるだろうという予感はしている。

今は新幹線に乗っている。新幹線は匂いが苦手なので、吐き気止めが必須だ。不自由な体である。創作にシャカリキな心と反して、辛いことがある度に体が言うことを聞かなくなってゆく。創作は不健康になりやすいから、せめて健康に過ごす努力はしたい。

新幹線に揺られる。ふと、名古屋の人達は賞をとらないと私の面白さに気づいてくれない!鈍感だ!と、駄々をこねていた自分を思い出した。卑屈で愚かだ。そして浅はかだ。観劇者を侮蔑している。賞なんかで気づいてくれるならいいじゃないか。賞、上等。評価上等。わたしは既にわたしだけど、評価させてやってもいい。そんなスタンス。狂気の沙汰をやっているのだから、態度もそんな感じでいいでしょう。

兵庫県の電車に揺られる。突然、電車がポーッと鳴いて驚く。そんな蒸気機関車みたいな。赤い電車。田舎は良い。たまにくると、心を解放してくれる。青い木々。

遥野ちゃんに迎えにきてもらう。田舎。土手が深くて、外側を歩いてくれている遥野ちゃんのことが心配になる。

遥野ちゃんとりこちゃんが住んでいる家に着く。遥野ちゃんが作ってくれた料理を食べた。

思ったよりも、何事も無く今日が終わった。

明日からはきちんと創作をする。

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